こんにちは。
弁護士の林 孝匡です。
宇宙イチ分かりやすい法律解説を目指しています。
会社の書式を改造したりして解雇された事件を解説します。
ほかにこんなことをしました。
・部下のミスを隠ぺい
・社内調査でもウソをつく
・別の部下をボコボコにする
裁判所
「解雇はOK!」
以下、分かりやすくお届けします(長谷川製作所事件:東京地裁 R4.11.4)
※ 争いを一部抜粋して簡略化
※ 判決の本質を損なわないよう一部フランクな会話に変換
登場人物
▼ 会社
・鉄道車両の部品の販売などをしている会社
▼ Xさん
・製品検査、営業などを担当
・品質管理リーダー
Xさんがやった3つのチョンボ
Xさんは3つのチョンボをやらかしました。
▼ チョンボ1
会社で使う書類の改造です。依頼票27枚を改造したのです。この改造によって、検査項目が確認できない、梱包状態が分からないなどの弊害が生じました。
会社はXさんに口頭で注意。そして顛末書を提出させました。
▼ チョンボ2
ミスの隠ぺいです。ある日、部下から「熱処理しないまま鉄道会社に納品したかもしれない…」と報告を受けました。
しかしXさんは、その事実を会社に報告しませんでした。会社の社内調査でも、Xさんは「不良製品納品のことは知らなかった」とウソをつきました。
次は口頭注意では済みません。会社はXさんの役職手当を減額しました(7万円 → 4万5000円)
▼ チョンボ3
部下をボコボコにしました。Xさんは、部下の仕事が遅いとイラつきました。部下に向かって「また遅れるのか」「ふざけるな」と言い、部下の胸ぐらをつかみ、机の上に押しつけました。部下は机の上に寝たような体勢となり、首を締めつけられるような状態になりました。
そのほかにも、別の日、Xさんは、足の裏で部下のみぞおち付近を蹴り、裏拳で顔面を殴りました。部下は鼻血が出ました(その他の暴行は省略)
部下は、精神内科に通うようになり、体調が戻らず退職に追い込まれました…。