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江崎グリコがアスリートの休息・運動・栄養の情報を“見える化”したアプリ「アスリートコンディションチェック」をリリース

2023.10.10

■連載/阿部純子のトレンド探検隊

一般アスリートや学生アスリートにも役立つコンディションを分析する無償アプリ

スポーツ科学、スポーツ栄養学に基づいて設計された、スポーツフーズブランド「パワープロダクション」を展開している江崎グリコでは、「休息」「運動」「栄養」のサイクルを効果的に循環することで、アスリートのパフォーマンスを向上する「戦略的リカバリ」を新たな回復の考え方として提唱している。

スポーツテック企業のユーフォリアの協力を得て、アスリートのパフォーマンスを向上させるために重要な、コンディション分析を行えるウェブアプリ「アスリートコンディションチェック」(以下、ACC)を無償で提供を開始した。

ユーフォリアがラグビー日本代表向けに開発したスポーツ領域に特化した体調管理システム「ONE TAP SPORTS」の知見を活かし、一般アスリート向けに無償で提供するACCは、42問のアンケートに回答するだけで、栄養、睡眠(休息)、精神疲労(メンタル)、肉体疲労のコンディションチェックがスコアで表示、各自の状況に合わせて専門家のフィードバックが得られる。

ACCはスマートフォン、タブレット、PCからのアクセスが可能で、メンバー登録してIDを取得すればすぐに使用できる。基礎情報から栄養、睡眠、身体の状況など全42問に回答するが、シンプルな質問で直感的に答えられため、要する時間は5分程度。

分析結果は100点満点のスコアで栄養と休息に分けて表示。開発にあたり調査した、陸上短距離・長距離、ラグビー、サッカー、バレーボールで全国大会に出場している大学生アスリート1300人から分析したデータと比較して、自分がどのあたりのスコアなのかもわかる。

結果を受けて今後気をつける点などがステップアップアドバイスとして表示される。食事では主食、主菜、副菜、牛乳、乳製品、果物等、細かくアドバイスがあり、栄養面でも摂るべき食材など、スコアからフィードバックされた具体的なアドバイスがもらえる。

調査では全国大会に出場している強豪校の選手は90点以上が多く、睡眠がしっかり取って休息していることが判明。休息面の睡眠に関しても、睡眠時間について学ぶ基礎知識や睡眠の質が上がる方法などもアドバイスする。メンタル面も含めてサポートする。

「休息、運動、栄養の3つをいかにスパイラルアップしていくかが重要です。アスリートは運動には非常に関心が高いですが、休息と栄養の意識については曖昧な方も多い。現在地を知るという感覚がとても重要で、現状をしっかりと意識してコンディショニングにつなげていくサービスを目指し、ユーフォリアさんの強力なサポートを得て開発を進めました。

質問数は開発段階でも試行錯誤しました。もっと少なくすることも考えましたが、信憑性を感じるデータを得て、適切なフィードバックを提供するには、ある程度のボリュームの質問があったほうがいいだろうと判断し全42問になりました。

休息の部分はACCの特徴のひとつで、心の状態についても触れています。メンタル面は非常に曖昧で、自分でも認識しにくいところですが、客観的にアドバイスがもらえるため状態がわかりやすくなっています。

様々なウェアラブルデバイスで見える化が進み、ヘルスチェックサービスも数多く存在しますが、アスリートに向けたサービスはあまりなく、市民ランナーや部活動の学生といった個人のアスリートにとっては、コンディションの見える化は難しいのが現状です。プロアスリートではない方にも使っていただきたいと無償で提供しています」(江崎グリコ 健康イノベーション事業本部 健康事業マーケティング部 運動能力・脳機能強化マーケティンググループ長 伊吹亮一氏)

ユーフォリア 代表取締役 宮田誠氏、元ラグビー日本代表のストレングス&コンディショニングコーチで、キネティックアーツGA代表取締役 村上貴弘氏は、コンディションを見える化して、現在の状態を把握することの重要性を語った。

コンディションを記録、見える化

「日本人は真面目なので練習はとことんやりますが、実はそれ以外の時間をどう過ごすかも非常に大事です。10年ほど前に村上さんからお聞きして忘れられないのが、On the pitch(オン・ザ・ピッチ)、Off the pitch(オフ・ザ・ピッチ)、つまり試合だけでなく、試合以外の時間をどう過ごすか、そこまで考えるのがトレーニングということ。その世界観を数値化するソフトウェアとして開発したのが『ONE TAP SPORTS』でした。

選手自身が運動、休養、栄養を管理するには、今までは感覚的にやるしかありませんでした。練習量が多すぎて疲れすぎている?休み過ぎているから調子が悪い?など、暗黙値の世界です。

昨年の状態を振り返ろうとしても、1年前の人間の主観的な記憶などほぼ残っていないので、直近の記憶に上書きされてしまいます。日々の状態をチェックし、振り返ることができるのはデータしかありません。

コンディションを記録するというのは、意識を変えることだと思います。弊社が提供しているトップアスリート向けのアプリは毎朝入力をしますが、一般の方にはなかなか難しいと思うので、ACCなら月1~2回定点観測していて、見える化によって意識を変えていくのが良いと思います」(宮田氏)

「コンディショニングは、トレーニング、体力、体調、メンタルといった試合に勝つための準備のすべてを包含しています。コンディショニングの中でも、科学や技術の進化で、効率的にトレーニングするノウハウは、すでに出来上がっていますが、ラグビーとかアメフトのような肉体的なダメージの大きいスポーツだとトレーニングのやり過ぎが故障の原因になることもあり、それを防ぐために休息と栄養が必要になります。

ハードにトレーニングしたら、その後はしっかりとリカバリ(回復)をしないといけない。失ったものをしっかり補って、緊張した筋肉をリラックスさせて元に戻す。どの競技もハイレベルになるほど、リカバリの中でも最も重要な要素である睡眠を重視しています。

自分の状況を自己認識できる選手はやはり強い。認識した上で、良くないことであれば解決していき、良い状態だったら何をしたのか振り返りができその再現性を高めていける。これができるアスリートは結果を出しています。

トップアスリートは、競技力を向上させて良い成績を出すというわかりやすい結果がありますが、一般アスリートも、運動のストレスに対してしっかり適応して乗り越えていくという点では共通しています。

一般の方もアスリートとは違う形でストレスを受けていると思いますし、それをしっかりマネジメントして日々乗り越えていくことは健康の基礎であり、同じ概念でコンディショニングも大事だと思います。

一般の方はトップアスリートよりも勝つという価値観に多様性があるため、睡眠や栄養のスコアをとりあえず上げていくことを目標に置けばよいと思います。スコアを上げるためには何をすべきか、行動習慣を変えるきっかけとして、ACCは非常に有効だと思います」(村上氏)

現役学生アスリートである、東京経済大学陸上部 駅伝ブロック、4年生の蟹江達樹さん、3年生の石塚壮一郎さん、2年生の亀井大生さんがACCのデモンストレーションを行った。

蟹江さんは栄養、睡眠共に90点を超えたハイスコアの結果が。

「今まで自分の状態を数値化して把握することはなかったので、数値として出るのはとてもわかりやすいです。質問が細かく設定されていて、その分しっかりと詳しく結果が出るので、アドバイス参考に自分の競技に活かしていきたいと思います」(蟹江さん)

石塚さんは栄養が100点満点という驚きのスコアが出た反面、睡眠は25点と、かなり差が開いた。

「食事に関しては、日ごろから運動後のリカバリを意識していますが、睡眠に関してはこの1ヶ月だと夏合宿などで乱れていた時もあり、それがこの数値に現れたのかなと思います。

寝る30分前のスマホやパソコンは睡眠の質を下げると聞いたことがあり、そうした日々の継続が足りなかったのかなと感じています。学生なので、学期末になるとレポートで夜遅くまで課題をしてしまうということが多々あって、そういったところが数値に現れているのかなと感じています。具体的なアドバイスも表示されるので、参考にしたいと思います」(石塚さん)

亀井さんは栄養が82点で、睡眠の方が83点という結果に。

「最近まで夏休みだったこともあり、食事も合宿と寮でしっかり摂らせていただいたので、この結果につながったと思います。アンケートは最初42問と聞いて多いと思いましたが、身長体重や、補食、昼寝など、想定していたよりも細かいところまでしっかりと聞かれる質問でした。非常に答えやすく、自分でも納得できる結果が出てくれたと思います」(亀井さん)

学生アスリートのスコアに伊吹、宮田、村上の3氏も感心しながら納得した様子。村上氏は今の学生アスリートは、コンディションのために良いこと悪いことを情報として知っている人が多いと指摘。ただ、知識はあっても実践するのは難しいので、スコア化されるACCは考えるきっかけになり、コーチの立場からも改善すべきポイントが明確になると話した。

宮田氏は、陸上競技では短距離よりも長距離の選手の方がオフ・ザ・ピッチに対する意識が高い選手が多いと現場の経験から感じていると話し、走行距離とパフォーマンスは相関性があり、休息、睡眠といったリカバリに意識的に目が行っていると指摘した。

「現状を知れば希望する姿とのギャップがわかり、意識と行動が変わっていくことをACCでは目指しています。3人の選手に試していただきましたが、100点というのは初めて見ました。非常にしっかり管理していると改めて感じましたし、やはり日々どのような生活習慣なのかを把握することが大事だと実感しました。

ACCは一度やって終わりではなく、習慣にしていくということが肝要。数値化された状況を自分の中でフィードバックしながら行動を変えていく。初めは気軽な気持ちで試していただき、トレーニングと同様に定期的に行うとで、自分の変化が見える化できると思います」(伊吹氏)

【AJの読み】いまやスポーツ業界ではデータサイエンスは不可欠

個々のパフォーマンス向上、チーム能力向上を目的に、いまやスポーツ業界でデータ分析は欠かすことができないものになっている。ウェアラブルデバイスで心拍数や睡眠時間、睡眠の質のデータを観測、併せて「アスリートコンディションチェック」のような生活状況を入力するプログラムを用いて、適切な食事や健康管理、リカバリの指導を行うのは、プロスポーツを含めて世界的な潮流になっている。

江崎グリコのスポーツフーズブランド「パワープロダクション」では、スポーツ関連の情報サイト「パワープロダクションマガジン」にて、栄養学を中心とした「休息」「運動」「栄養」に関する様々な記事を配信。アスリートだけでなく、スポーツを楽しむ人たちに役立つ情報が紹介されている。

文/阿部純子

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