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院内感染症のひとつClostridioides difficile感染症は大半が患者間の感染以外が原因、ミシガン大学研究報告

2023.10.15

病院で発生するC. difficile感染症の大半は患者間の感染以外が原因

院内感染症の一つで、致死的にもなり得るClostridioides difficile感染症(CDI)の発生は、病院よりも患者自身に起因する可能性の大きいことが、新たな研究で示唆された。

Clostridioides difficile(C. difficile)と呼ばれる細菌を原因菌とするCDIは、十分な院内感染対策を講じている病院でもよく起こるが、この研究結果はその原因解明の一助となる可能性がある。

米ミシガン大学医学部微生物学・免疫学准教授のEvan Snitkin氏らによるこの研究の詳細は、「Nature Medicine」に2023年9月18日掲載された。

米疾病対策センター(CDC)によると、米国では年間約50万件のCDIが発生しており、1万3,000人~1万6,000人がこの細菌により死亡していると推定されている。

CDIの罹患や死亡の多くは入院患者間での感染が原因と考えられてきた。しかし、最近の研究では、CDIの院内感染例の大部分は感染した他の入院患者からの感染では説明できないことが報告されているとSnitkin氏は言う。

今回の研究によると、米シカゴ、ラッシュ大学医療センターの集中治療室(ICU)に入室した1,111人(平均年齢62.7歳、ICU入室件数1,289件)の患者から採取した3,952点の直腸スワブおよび糞便検体の分析が行われた。

その結果、研究期間中に毒素を産生するC. difficileが認められた患者の割合(期間有病率)は9.3%(120/1,289件のICU入室)であった。また、検体の中で、同一のC. difficile株はほとんど見つからなかったため、院内感染の可能性は低いと考えられた。

患者間での感染が確認されたのはわずか6人で、無症状のC. difficileのキャリア(保有者)が症状を伴うCDIに移行するリスクの方が高いことが示された。

実際、入院時にC. difficileが腸管に定着していることが確認されたキャリアでは、C. difficileの非キャリアと比べて医療機関でのCDIの発症リスクが24倍高かった(ハザード比24.4)。

ただし、これらの研究結果は、院内感染の予防対策が不要であることを示しているわけではない。実際、こうした対策のおかげで現在の低い感染率が維持されている可能性が高いとSnitkin氏は言う。

同氏は、「この研究結果は、医療従事者の手指衛生の遵守率の高さの維持やC. difficileに有効な消毒薬による日常的な環境消毒、病室の個室化など、ICUで講じられていた感染対策が有効であったことを示唆している」と説明。

その上で、「このことは、患者のCDI発症をさらに防ぐためには、無症状のC. difficileキャリアにCDIを発症させるきっかけとなるものが何なのかを解明する必要があることを意味する」と指摘している。

今回の研究には関与していない米レノックス・ヒル病院感染予防部門シニア・ディレクターを務めるHannah Newman氏は、「症状が現れていれば、見つけ出して感染拡大を防ぐための必要な予防対策を講じることは簡単だ。しかし、腸管にC. difficileが存在していても症状はない場合もある。この状態は、定着と呼ばれている」と説明する。

C. difficileのキャリアで活動性の感染症が引き起こされる明確な要因は不明だが、抗菌薬使用の関与が疑われている。「今回の研究結果からは、現行の感染予防対策を続ける一方で、無症状のC. difficileのキャリアを見つけ出し、感染リスクを低下させる方法を明らかにする必要性が示唆された」とNewman氏は言う。

一方、Snitkin氏は、抗菌薬の使用だけが唯一の原因ではないことを強調。「抗菌薬による腸内細菌叢の乱れがCDI発症の引き金となっていることは支持されているが、原因が他にもあることは確実だ。なぜなら、抗菌薬が投与されたC. difficileのキャリア全てがCDIを発症するわけではないからだ」と指摘している。

今回の研究には関与していない米ノースウェル・ヘルスのDonna Armellino氏は、高齢患者と入院歴のある患者がC.difficileの保有リスクが高いことを強調した上で、「正常な消化管の細菌叢の多くは手術や抗菌薬の使用、あるいは他のメカニズムによって変化する可能性がある。そして症状が現れ、抗菌薬による治療が行われることになる」と説明。

通常、CDIの発症を予防する目的で患者に抗菌薬が投与されることはないが、同氏は、「この点については、研究で検討する必要がある」と話している。

また、多くの病院では患者たちが浴室を共有し、至近距離で過ごすが、今回の研究は個室のあるICUの患者を対象としていたことを指摘。そのことが、この研究で示された患者間の感染率の低さの要因となっている可能性があるとの見方を示している。(HealthDay News 2023年9月20日)

Copyright © 2023 HealthDay. All rights reserved.
Photo Credit: Adobe Stock

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://www.nature.com/articles/s41591-023-02549-4

Press Release
https://www.michiganmedicine.org/health-lab/surprising-origin-deadly-hospital-infection

構成/DIME編集部

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