警察庁が発表した最新の報告書によると、フィッシングによるものとみられるインターネットバンキングに係る不正送金被害件数は、2023年上半期において2,322件と国内過去最多となった。
さらに、被害総額は30億円※を超えるなど、今期は特にフィッシング関連の注意が必要となっている。
※参考 警察庁 「フィッシングによるものとみられるインターネットバンキングに係る不正送金被害の急増について 」
そこでデジタルアーツは、2023年上半期に収集した国内外のフィッシングサイトURLのドメインを集計したレポートを公開したので、詳細をお伝えしよう。
フィッシングサイトのURL総数は1/3に減少、TLDは「com」が最多
デジタルアーツでは、日々さまざまなWebサイトについて調査・収集を行っており今回は、2023年上半期(1~6月)に確認した国内外のフィッシングサイトURLのドメインを集計した(IPアドレス形式のURLは除く)。
なお、本レポートで扱うドメインについては、以下のように定義している。
デジタルアーツの2023年の上半期におけるフィッシングサイトドメイン調査では、フィッシングサイトのURL総数が2022年下半期と比較して約1/3に減少したことが判明した。
主な要因としては、昨年下半期に急増した「サブドメインに長い文字列を用いた特徴的なパターンを持つクラスター」が減少したことによる。
また、2023年上半期のフィッシングサイトのTLDトップ20を集計したところ、「com」が39.52%で最多に。続いて、2位が「dev」の6.85%、3位が「cn」の6.08%という結果になった。
特に2位の「dev」は、昨年下半期は17位の0.51%だったため、今期大幅に増加したことがわかる。
昨年下半期に40.95%と最多であった「top」は、今期では4.69%となり、全体シェアが約1/10に減少していた。