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2024年の花粉飛散量は広範囲で平年並み〜平年を上回る見込み

2023.10.10

花粉症の人にとって気になる、花粉シーズンにおける花粉の飛散量。少し気が早いかもしれないが、2024年の春、スギ・ヒノキ花粉は、前年比・平年比でどれくらい飛散するのだろうか?

ウェザーニューズはこのほど、2024年春の花粉シーズンに向け、「第一回花粉飛散傾向」(スギ・ヒノキ、北海道はシラカバ)を発表した。

来春の花粉飛散量の傾向:広範囲で平年並み〜平年を上回る予想

2024年春の花粉飛散量は、北日本の一部で2023年を大きく上回るものの、その他のエリアでは広範囲で2023年を下回る予想。2023年の飛散量が記録的に少なかった北海道ではその反動で400%程度の飛散量になると予想している。

一方、2023年に飛散量が多かった関東や西日本では飛散量が減少し、2023年の半分程度になる地域もあるとみている。全国平均では2023年比で68%となる予想だ。

平年(2014〜2023年の平均飛散量)と比べると、東日本と北日本を中心に平年をやや上回るエリアが多く、西日本では概ね平年並みのエリアが多くなっている。全国平均は平年比で126%となる予想だ。

飛散量予想の根拠:2023年夏の天候と年ごとの増減傾向

花粉の飛散量予想は、主に前年の夏の天候と年ごとの飛散量の増減傾向を基に算出している。2024年の飛散量予想の背景は以下の通りだ。

東・北日本を中心に多照かつ記録的な暑さに

前年の夏に十分な日照があり、気温が上がるほど花粉の発生源となる雄花の生長が促される傾向がある。よく晴れた暑い夏ほど光合成が盛んになるためだ。

2023年は東海や西日本が6月までに梅雨入りし、関東甲信や北陸、東北も6月上旬に梅雨入りした。6月中は梅雨前線が本州の南の海上に停滞する日が多く、梅雨前線から遠い北日本では晴れて記録的な暑さとなった。

7月に入ると太平洋高気圧の勢力が強まり中旬から下旬にかけて梅雨明けしたエリアが多くなった。北日本や東日本では平年に比べて気温がかなり高く、北日本では記録的な高温が続いた。

8月は前線が北海道付近~日本海に停滞する日が多く、日本の南の海上には熱帯低気圧や台風が相次いで発生した。暖かい空気とフェーン現象の影響で北日本や東日本、近畿・中国では平年に比べて気温がかなり高くなった。西日本太平洋側では台風6・7号が接近した影響で日照時間が平年をやや下回った。

2023年夏の天候を総合すると、暖かい空気に覆われた日が多くなったため、北日本や東日本、西日本で気温が平年に比べてかなり高くなった。

気象庁の統計開始(1946年)以降、北日本と東日本は1位、西日本では1位タイの高温となった。太平洋高気圧の影響で晴れた日が多くなった東北や東日本では日照時間が平年を大きく上回り、雄花の生長に適した天候となった。

一方で、前線や台風の影響を受けやすかった九州や四国では気温は平年を上回ったものの、日照時間は平年並みか平年をやや下回り、雄花の生長にはやや不向きな天候となった。

2024年は西・東日本を中心に飛散量の少ない「裏年」の見込み

花粉の飛散量は周期的に増減し、花粉の飛散が多い期間と少ない期間が交互に訪れる傾向がある。

飛散量が多い年を「表年」、少ない年を「裏年」と呼ぶ。エリアによって増減の周期は異なり、「表年」「裏年」も異なる。夏の天候の影響で「表年」「裏年」の区別が不明確になる年もある。

2023年は西日本と東日本を中心に飛散量が多く、「表年」となった地域が多くなった。その反動で2024年の飛散量は前年を下回る「裏年」になると見込んでいる。

一方、北海道や東北北部では2023年の飛散量が前年を下回り、「裏年」となった地域が多くなった。2024年は「表年」となり、飛散量が2023年を上回る地域が多くなると予想している。

出典元:株式会社ウェザーニューズ

構成/こじへい

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