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KDDIや東京医科歯科大学がスマホ依存やネット依存、ゲーム行動症などの改善を目的としたプログラム「サイバー精神医学講座」を開設

2023.10.11

KDDI、KDDI総合研究所、東京医科歯科大学は、スマホ・ネット依存やゲーム行動症(Gaming Disorder)の改善に向けた研究開発を進める「サイバー精神医学講座」を開設したと発表した。

3者は、同講座を通じて、スマホ・ネット依存、ゲーム行動症についての実態解明、診断や治療を支援するシステム(プログラム医療機器)の検証を行ない、将来の実用化を目指すとしている。

ゲーム行動症は疾患概念が確立したばかり

KDDIとKDDI総合研究所は、青少年のスマートフォン・インターネットの利用が長時間化し日常生活に支障をきたす「スマホ依存」に関する調査・研究を2016年から行なってきた。

また、東京医科歯科大学はネット依存の専門外来を2019年度に立ち上げ、ゲーム行動症の方を中心に入院治療、外来治療、当事者プログラム、家族支援プログラムなどネット依存の診療に取り組んできた。

このような背景から、3者は共同研究を2020年から開始し、ネット依存外来の患者に対してのアンケート調査や研究用アプリでの利用状況の記録を通して、スマホ・ネット依存、ゲーム行動症の解明を進め、研究成果を活用してゲーム行動症患者の診断や治療用アプリの実用化を目指し臨床研究などを進めてきた。

そして、今回3者は、既存の共同研究を発展させる形で「サイバー精神医学講座」を東京医科歯科大学の中に開設。同講座では、スマホ・ネット依存、ゲーム行動症などの行動嗜癖を対象にスマートフォンアプリを用いたシステムのプログラム医療機器申請に関わる臨床研究を実施。

あらかじめ同意を得た通院患者を対象に日常的な行動情報を収集し、行動ログを医療情報と比較することで行動嗜癖に関する病態を解明することに加え、診断および治療支援に用いることでシステムが治療に関連するアウトカム指標(有効性を評価する指標)の改善に寄与することを検証する。

なお、同講座開設にあたり、東京医科歯科大学・精神科の髙橋英彦主任教授は「ゲーム行動症は疾患概念が確立したばかりで、いわゆるスマホ依存やネット依存とともに、社会から十分理解されておらず、本人や家族も自覚していない場合が多いとされています。また、スマートフォンやインターネットは生活に欠かせないものにもなっており、単に禁止するということは現実的ではありません。そこで、客観的な診断法や科学的で有効な治療法の開発が、疾病の理解、予防、啓蒙にも立ち返って有益になるものと期待しております。これまでもKDDI、KDDI総合研究所とは共同研究を行ない、研究用アプリでスマートフォンの利用状況のログを記録し、人工知能技術を用いた解析により、通常の聞き取りではわからなかったゲーム行動症の増悪や回復のパターンなども明らかになりつつあります。これらの成果をさらに発展させ、より汎用性の高い診断法や治療法開発を目指したいと思います」と述べている。

関連情報
https://www.kddi.com/
https://www.tmd.ac.jp/

構成/立原尚子

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