筆者・澤田真一が勝手に改名させられてしまう可能性
筆者の名前は「澤田真一」。ただし、読みは「さわだ・しんいち」ではなく「さわだ・まさかず」である。
この名前、実は来年勝手に改名されてしまうかもしれない。
今年6月、参院本会議で改正戸籍法が成立。これは戸籍に「名前の読み」を必須とする内容で、行政のDX化と大きく関連する施策でもある。施行は来年だ。
この「名前の読み」は、戸籍にある各人が本籍地自治体に届けなければならない。もし、この届け出を怠ると……。
黙っていたら強制改名!?
自慢ではないが、筆者は人生でただの一度も初対面の人から正確に名前を言われたことがない。フリガナを振らなければ「さわだ・しんいち」と呼ばれてしまう。
若い頃、格闘技の全国大会に出場した時の話である。エントリー用紙にちゃんと「澤田真一(さわだ・まさかず)」と書いたにもかかわらず、出場選手のリストには「澤田真一(さわだ・しんいち)」と記載されてしまった。運営スタッフは名前のフリガナに目を通していないのかと呆れたものだが、ともかく筆者の場合はこのような事態に何度も遭遇するということを読者の諸兄諸姉には認識していただきたい。
さて、ここで冒頭に触れた改正戸籍法について、産経新聞の記事を引用したい。
戸籍にこれまで記載がなかった氏名の「読み仮名」を必須とする改正戸籍法などが2日、参院本会議で、自民、公明、日本維新の会、国民民主各党などの賛成多数で可決、成立した。
(中略)
記載は片仮名で、新生児らが初めて戸籍に載る際は併せて読み仮名を記す。その他は戸籍筆頭者が氏名、筆頭者以外が名前に関し届ける。市区町村は住民票などで既に把握している読み仮名を通知する。1年以内に届けがなければ職権で記載する。
(『戸籍読み仮名、改正法成立 記載に一定基準 全国民が届け』産経新聞)
「1年以内に届けがなければ職権で記載する」という部分に注目していただきたい。
来年、静岡市から筆者(というより戸籍を持っている全市民)に対して通知が届くだろう。「市区町村は住民票などで既に把握している読み仮名を通知する」としているが、その段階で読み方が間違っていて、なおかつそれを市区町村の窓口に知らせない場合、何と現場の職員の判断でフリガナが決められてしまうというわけだ。
筆者の知人でない限り、「澤田真一」を「さわだ・まさかず」と読む人は殆どいない。もしも筆者が無精の虫を起こして届け出を怠ってしまうと、静岡市により改名されてしまう可能性が大である。