タッチ決済が「当然のもの」になりつつある。
少し前まではクレカのタッチ決済そのものが店員にすら知られていなかった。それが今では店員が「タッチ決済ですか?」と声をかけてくれるようになっている。
しかし、タッチ決済の普及は新たな課題を生み出している。それが「事業者側の端末」だ。
5件に1件がタッチ決済
今回の記事では、9月27日にビザ・ワールド・ワイドジャパンが開催したメディア向けブリーフィングの様子を伝えたい。
最初の登壇者は、ビザ・ワールドワイド・ジャパン株式会社 加盟店・アクワイアリング営業本部 シニアディレクターの山田昌之氏である。
「2023年6月末の時点で、日本におけるVISAの対面取引のうち、およそ5件に1件がタッチ決済になりました」
山田氏の言う通り、そして冒頭に書いた通り、日本でのタッチ決済は着実に普及している。他の先進国と比較するとまだまだ少ないとはいえ、その分だけ開拓の余地が大きい。
たとえば、現在のタッチ決済対応店舗はコンビニやチェーン店などの「有名店」に留まっている。個人経営の店舗でタッチ決済に対応している例はまだまだ少ないが、それはあくまでも今現在の話。今後は対応店舗も増えていくだろう。
とはいうものの、小規模事業者がクレカのタッチ決済を気軽に導入できるのかというと決してそうではない。
読み取り端末の小型軽量化
タッチ決済のできるクレカを読み取るには、当然ながら専用端末が必要だ。
実はこのあたりで競争が発生している。
最近ではテレビでも決済端末サービスのCMを見かけるようになった。極力手軽に使うことができ、しかも広い占有スペースを必要としない決済端末である。キャッシュレス決済の普及が著しいところでは、常にこのような「決済端末戦争」が発生する。
読者の皆様には、屋台を想像していただければ一番いいかもしれない。屋台には大きなレジを置くスペースなどなく、故にキャッシュレス決済を導入しようと思ったら客のスマホで支払いを完結できるQRコード決済が第一候補に挙げられる。
しかし、クレカのタッチ決済の読み取りをスマホでできるようになればどうか? そこに「大逆転」或いは「コペルニクス的転回」が発生するはずだ。