10月1日からの酒税法改正で「ビール」は値下がり、新ジャンルの「第3のビール」は値上がりした。法改正を控えた9月から8月にビールの値下がりを見越した買い控えや、値上がりを懸念した買いだめなどはあったのだろうか?
東芝データは、東芝グループの電子レシートサービス「スマートレシート」を利用する約140万人のレシートデータから得られる購買データを分析し、あらゆる商品に関する買い物動向を伝えている。
今回は、アルコール飲料の購買動向に注目したところ新たな購買変化が見えてきたというので、詳細をお伝えしよう。
140万人の最新レシートデータから見る、お酒の購買動向調査。20代、30代はビールを抑え酎ハイ・カクテルが1位に
直近1年間(2022年9月~2023年8月)で売上金額が前年度同期間(2021年9月~2022年8月)より伸びた酒類※をランキングにした。
※本記事では酒税法上の酒類、およびノンアルコール飲料(1.アルコール度数が1%未満の飲料 2.アルコール度数0%、かつアルコール飲料に似た味を志向した、満20歳以上の飲用を想定・推奨している飲料)に該当する商品を分析対象としている
その結果、増加率が一番高いのは近年人気を集めている「ハイボール」で、前年比で+20.2%増加していた。次いで「ウイスキー」、「サワーの素」が続く。
一方、晩酌の定番である「ビール」は前年比で-4.9%、「第3のビール」は-9.2%減少しており、消費者の好みが多様化していることが伺える。
2023年8月の来店客1人当たりの月間購入額を年代別に見てみると、20代と30代の男女の月間購入金額1位は「酎ハイ・カクテル(RTD)」、一方、40代と50代以上の男女の1位は「ビール」であった。
1位の月間購入額を年代男女別に比較すると、50代以上の男性が418.2円と最も高く、最も低い20代の男性と比較して約3.8倍の金額となっている。
10月に酒税法改正を控え、各社からはビール価格の値下げや新ジャンル商品の発表などアルコールの消費拡大に向けた動きが活発化しているが、いまだ続く物価高は家計に大きな影響を及ぼしており、今後アルコールの多様化が益々加速していくことが考えられる。
調査概要
対象店舗:全国のスマートレシート加盟店内の「スーパーマーケット」
対象会員:20歳以上
関連情報
https://www.global.toshiba/jp/news/data-corp/2023/09/20230929.html
構成/Ara