仕事の効率が上がる、ストレスが軽減するなど、さまざまな効果で注目されている「マインドフルネス」。近年はグーグルやヤフーをはじめとする数多くのグローバル企業が社内教育などに取り入れており、また、科学的な研究の見地からもそのメリットが認められてきている。
マインドフルネスが実際にどのように仕事の課題解決に役立つのか。新刊『心が整うマインドフルネス入門』の著者であるネパール出身の瞑想家、ニーマル・ラージ・ギャワリ氏に聞いた。
ニーマル・ラージ・ギャワリ(Nirmal Raj Gyawali)氏
母国ネパールにて9歳よりヨガを学び、15歳から指導を開始。ハタヨガメディテーション及びアーユルヴェーダを学び、22歳で博士号を取得。20カ国でメディテーションを指導し、2003年に来日。2019年にメディテーションテックベンチャーのスワル株式会社を設立。著書に『黒感情がら消える ニーマル10分瞑想』、『美顔ヨガ』(小学館)など。
ニンジンをぶら下げて走るのは、リスクが高すぎる
正当な評価をしてもらえていないと感じたり、これ以上のキャリアアップが見込めなかったり。仕事にやりがいを見いだせない状況は、ある日ふと訪れるもの。「人間は自分の成長を感じられないと、モチベーションが上がらないものですよね」とニーマル氏も言う。
「でも、ちょっと考えてみてください。あなたのモチベーションの源は何でしょうか。会社や上司の評価を得ること? それとも、お金や人脈が増えることでしょうか?」
ニーマル氏いわく、多くの人は自分の外側にモチベーションを求めているとのこと。たとえば、給与や賞与、役職、評価、長期休暇やレクリエーションなど。
「つまり、目の前にニンジンをぶら下げて走っている状態。ニンジンがなければモチベーションは一気に下がってしまいます。しかも、そのニンジンを管理しているのは自分自身ではありません。会社の事情や上司の気分でいつなくなるかわからないニンジンに、自分のモチベーションを預けていてよいのでしょうか?」
……なるほど。耳の痛い話である。