■連載/綿谷さちこのクレカの強化書
アメリカン・エキスプレスは2023年9月13日より、個人向けの『プラチナ・カード』と、中小企業経営者・個人事業主向けの『アメリカン・エキスプレス・ビジネス・プラチナ・カード』を2枚同時にリニューアルすることを発表した。
『アメリカン・エキスプレス・ビジネス・プラチナ・カード』(上)、『プラチナ・カード』(下)。
『プラチナ・カード』のパイオニアとして特別な体験を提供
アメリカン・エキスプレスの『プラチナ・カード』は、1993年に日本で初めて発行されたプラチナ・カード。“よりプレミアムな旅行を体験したい”、“特別な体験をしたい”という人のために作られ、当時は約220の海外のホテルでの優待やアメリカの人気レストランの予約、海外で何かあった場合のホットラインのサービスなどを提供していた。
その後も、その時代に合ったプレミアムの価値観を追求。現在、好評のサービスは、世界1300か所以上のホテルやリゾート施設で、夕方4時までのレイトチェックアウトや朝食無料などの特典が受けられる「ファイン・ホテル・アンド・リゾート」。また、世界130か国・500空港・1200か所以上のラウンジが利用できる「アメリカン・エキスプレス・グローバル・ラウンジ・コレクション」、所定のコース料理を2名以上で利用の場合、1名分の料金が無料になる「ビジネス・ダイニング・コレクション」など、特別な美食体験も人気だ。
中でも注目が、「プラチナ・コンシェルジェ・デスク」や「プラチナ・セクレタリー・サービス」。自社の正社員をプロフェッショナルなコンシェルジェに育成し、24時間365日、航空券やJRチケット、国内外の主要ホテルの手配、レストランの紹介や予約など、様々な要望に応えてくれる。
アメリカン・エキスプレスの『プラチナ・カード』で人気の特典の例。
そんなアメリカン・エキスプレスの『プラチナ・カード』が誕生30年の節目を迎え、2枚同時にリニューアルする。好評の旅行に関連したサービスなどは共通するものの、『プラチナ・カード』はダイニングやショッピング、デジタル、エンタメの特典を強化。一方、『アメリカン・エキスプレス・ビジネス・プラチナ・カード』は人事や経理、セキュリティなど、ビジネスを支援するための特典を拡充させる。
顧客のニーズやビジネスの変化に合わせて特典をリニューアル
『プラチナ・カード』に新しく追加された特典は、年に1回、「アメリカン・エキスプレス・トラベル オンライン」で4万円以上のホテル予約をした時に使える2万円分のトラベルチケットのプレゼント。そのほか対象のダイニングで食事をした時に毎回20%、年間最大合計4万円分のキャッシュバックや、ラグジュアリーブランドでショッピングした時に毎回20%、年間最大合計3万円分のキャッシュバックが得られる。スマホの破損や水濡れなどの修理代金の補償についても、支払い限度額が10万円から15万円に引き上げられた。
一方、『アメリカン・エキスプレス・ビジネス・プラチナ・カード』の新しい特典は、対象加盟店での広告宣伝費やアプリケーションなどの支払いで、年間最大合計3万円をキャッシュバックする「ビジネス・バッキング・プログラム」。万が一、サイバー事故で賠償責任を負うことになった時の各種費用を年間最高200万円まで補償する「ビジネス・サイバー・プロテクション」が加わったのも安心だ。10月からはシェアスペースやコワーキングスペースが使える「OFFICE PASS 10回無料クーポン」も開始予定だ。
『アメリカン・エキスプレス・ビジネス・プラチナ・カード』に新しく追加された特典の例。
今回のリニューアルはコロナ禍を経て変わったライフスタイルやワークスタイル、カード利用者のニーズの変化などに対応するもの。
「プライベートの場面では、旅行など、特別な瞬間をより上質なものにしたいというニーズを持ったお客様は大変多くいらっしゃいます。ただそれだけではなく、毎日の生活も充実させたいというお客様も増えてきています。また、ビジネスの場面においては、変化がどんどん激しくなっています。そういった中でアメリカン・エキスプレスがどのようにサポートできるのかを考え、今回、プラチナ・カードをさらに進化させました。これからもお客様の声を聞きながら、マーケットの状況を把握しながら、随時新しいニーズがあれば新しいベネフィットを作るなど、プレミアム・カードのパイオニアとしてマーケットを引っ張っていきたいと思っています」とカード事業部門 副社長の水村直美氏。
アメリカン・エキスプレス・インターナショナル カード事業部門 副社長の水村直美氏。
『プラチナ・カード』(左)と『アメリカン・エキスプレス・ビジネス・プラチナ・カード』(右)。年会費は共に16万5000円。申し込み制。追加カードは4人分まで無料。
『プラチナ・カード』だけに年会費は高いものの、追加カードは4人分まで無料。特に中小企業経営者や個人事業主にとっては、出張時のチケットやホテルの手配、接待時のレストランの予約などを「プラチナ・コンシェルジェ・デスク」などに依頼できるメリットが魅力的だ。今回、拡充された特典を含め、実に多くの特典やサービスが利用できることを考えると、メインカードの選択肢に加えるのもアリではないだろうか。
取材・文/綿谷禎子