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デザインだけじゃない!日産のクロスオーバーEV「アリア B9」で体感する新次元のパフォーマンス

2023.09.29

「アリア」は、日産が展開するEVシリーズの頂点に立つモデル。発表されたのは、2020年のことだった。ボディーサイズは日本で最も売れているEVの日産「リーフ」より全長、全幅、全高ともにそれぞれ100mm前後大きい、クロスオーバーSUVだ。

 しかし、発表はされたものの、半導体不足やコロナ禍による生産の低下などで、デリバリーがスムーズにいかなかった。かろうじてベースモデルの「B6」の試乗車が2022年春に乗れるようになった。

4WDの「B9」が持つ驚異の動力性能

「アリア」の車種構成は、電池容量66kWhのFF車と4WDの「B6」と電池容量91kWhのFF車と4WDの「B9」がカタログモデル。しかし、実際に販売されていたのは「B6」で、高性能の「B9」はなかなか販売の報道がなかった。もちろん車両価格も、「実質、省庁や自治体からの補助金を差し引くと約500万円から購入できる」というインフォメーションしか発せられなかった。予約もオンラインの予約サイト。もちろん、実車はなかった。それでも「アリア」は7000台近い予約注文が入っていたという。

 ようやく試乗車が揃った「B9」の4WD車(e-4ORECE=イー・フォース)リミテッドは、車両本体価格が790万円だ。66kWhの電池容量の「B6」に試乗したのは、約1年前の2022年4月。その時も静かだったが強烈な加速をしれっと体感させてくれるEVパワーに驚いたのだが、それよりもさらに強力な91kWhの性能を得た「B9」は、さらに強烈な動力性能の持ち主だった。

 受け取った「B9」は100%充電状態で、航続距離は526kmを表示していた。カタログのWLTCモードでの航続距離は580kmなので、ほぼカタログどおりの性能を保っているといってよいだろう。凄いのはまず、加速性能だ。「B6」でも0→100km/hの加速は7秒台で、スポーツカーの「フェアレディZ」並みの加速を、5ドアのクロスオーバーSUVが出した。

まるで「GT-R」並みの加速性能

「B9」は0→100km/hを5秒台という、まるで「GT-R」並みの速さで走り切ったのだ。もちろんこのときの室内は、ヒューンというモーター系の音も聞こえないし、タイヤからの音も室内への進入が抑えられていた。音もなくクルマが加速していく、それも凄いスピードで。

 ドライブモードは、スポーツ/スタンダード/エコ/スノーの4モード(B6はFF車だったのでスノーモードはなかった)。この加速はスタンダードモードで出した。スポーツモードにシフトすると、加速中に人工的なうなり音が室内に聞こえる。アクセル・オンで、この音が聞こえると、ちょっとスポーツモデルに乗っているのだ、という気分になるが、モーターで走るEVなので、こういう演出はギミック。無音で、ものすごく速く走るクロスオーバーSUVでもよい気がする。

「アリア」のドライビングプレジャーを高めるのが、4輪制御技術。それがe-4ORCE(イー・フォース)。前後に1基ずつ、計2基のモーターを搭載し、前後のトルクと4輪のブレーキをコントロールしながら車両を制御する。働きとしては前後のモーターの回生ブレーキを1万分の1秒単位で最適に制御して、変速時のクルマの沈みこみや横揺れを抑えている。また、スタート時や発停止をくり返すときも前後の揺れを抑えている。

 そして、コーナリングだ。スタンダードモードでは、直進時は前輪メインの駆動力配分で走行。コーナーに入ると4輪に駆動力を配分し、施回性能を向上させながら駆動力はそのままを保ち、スムーズな走行を実現している。

 実際に、スタンダードモードでは、直進時は重めの操舵力で、直進性を強く感じる。レーンチェンジなどでの切りこみになると、やや軽めの操舵力に変化する。一方、コーナーではハンドルを切りこむと、前輪がクイックに切りこまれる。タイヤの向いた方向に力強く加速する。これがスポーツモードになると、直進時の操舵力はさらに重くなり、きりこみも重め。コーナーでのクイック感はさらに鋭敏になる。e-4ORCEの効果だ。

 乗り心地は、スタンダードでもややソリッド感がある硬めだが、スポーツモードではさらにソリッド感が増し、ややキツめの上下動も加わり、スポーツSUVらしいハードな乗り心地を味わせてくれる。ちなみに試乗車は、ブリヂストン「ブリザークVR×3 255/45R20」を装着していた。

 ブレーキフィールは、低速域では停止寸前のオーバーサーボ気味な動きと、ノーズダイブはちょっと気になった。中高速域では、やや踏力を要した。最後に居住空間だが、基本的には「B6」と同じ。前席は床もフラットで、センターコンソールもないので、運転席と助手席の間でのサイドスルーはできる。やや低めのドライビングポジションが、スポーツモデルを意識させる。

後席は、着座位置は高くはない。床はフラットで、前席からのコンソールの張り出しもないので、広い。ヘッドスペースも身長170cmクラスでも余裕だ。後席背もたれは、わずかだがリクライニングもする。ちょっと気になったのは、後席ドアウインドは全開せず、約3分の1ほど残ってしまうことぐらいだった。

 ようやく登場した「アリア」の最強モデルは、EV、SUVの新しいパフォーマンスを体感させてくれた。さらに新しい体感も次のモデルで期待したい。

■関連情報
https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/ariya.html

文/石川真禧照  撮影/萩原文博

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