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インボイス登録をしたほうがいい人、しなくてもいい人の判断ポイント

2023.10.03

インボイス登録の判断基準

制度実施まであとわずか。すでにインボイス登録を済ませたという事業者も多いと思うが、決めかねている人もいるはず。そんな〝迷い人〟のために、登録の判断基準とそのヒントを紹介する。

業種、取引先との関係など複合的な視点で判断

 インボイス制度導入のひとつには、益税をなくし、消費税の増収を目論む政府の意向がある。だが、これまで免税事業者だった個人事業主やフリーランスにとって、売上の10%分が収入になるか、税金になるかは死活問題。そこで制度導入にあたっては、課税事業者へ転換する場合の様々な減税措置も設けられている。

 例えば小規模事業者におすすめなのが「簡易課税制度」。課税事業者は原則として受け取った消費税から支払った消費税を差し引いて納税額を計算しているが、簡易課税制度では細かな計算をせずとも、受け取った消費税から業種ごとに定められた「みなし仕入れ率」をかけた額を引いて納税できる。また、期間限定ではあるが、「2割特例」の制度もある。こうした減税制度を利用すれば税額負担だけでなく、原則課税のように消費税計算が煩雑でないため、経理業務の負担軽減も可能だ。

 とはいえ、いずれにせよ手取り金額が減るのは確か。そこでインボイス登録は任意のため、登録をせず免税事業者のままでいるという選択肢もある。だが、取引先企業にとって、インボイスを発行しない事業者との取引は、仕入税額控除が受けられず、企業の負担する消費税コストが増えることから、消費税分の取引価格の値下げを要求される可能性や、最悪の場合、取引を中止されることも考えられる。また、新規の取引先からは敬遠されることも。「消費税負担をしたくない」「手取り額を減らしたくない」という理由だけで、免税事業者を選択するのは早計だ。

 一方で、取引先が消費税を負担しても仕事を発注したいと思ってもらえるような作家や漫画家、芸能人、アスリートといった独自の技術がある人のほか、習い事や塾の経営者など、取引相手が個人の場合、相手は消費税を納税していないため、登録せず、免税事業者のままでも問題はない。取引先が簡易課税制度を選択している場合も登録は不要だ。

 何より大切なのは、取引先との関係や業種、課税事業者転換後のお金の流れをシミュレーションしたうえで、自分にとっての最善の選択をすること。もし迷ったら、取引先にどうしてほしいか、尋ねてみるのもひとつの手。さらにインボイス制度がスタートして6年間は「税負担経過措置」も設けられている。迷っている人はこの間にじっくり検討するのもいいが、これらの措置は期間限定のものも多いので、ある程度のスピード感をもって対応したい。

HINT1|簡易課税制度を利用すれば節税も

簡易課税制度を利用すれば節税も

●年間課税売上500万円のフリーランスカメラマンの課税シミュレーション
(売上500万円/消費税50万円で100万円の仕入れ/消費税10万円があった場合)

年間課税売上500万円のフリーランスカメラマンの課税シミュレーション免税事業者から、インボイス発行が可能な課税事業者に転換した事業者に対しては、税負担の軽減措置が設けられている。例えば、年間課税売上500万円のフリーカメラマンで、100万円の仕入れがあった場合、3つの課税方法のうち、「2割特例」を選択すれば、最大30万円も節税。しかも2割特例は、事前の届出も必要なし。期間限定ではあるが、こうした制度をうまく利用すれば、課税負担も抑えられる。

●事業区分別みなし仕入れ率

事業区分別みなし仕入れ率「みなし仕入れ率」とは、業種ごとに必要な経費を勘案して決められた控除割合。簡易課税方式の計算で用いられる。

HINT2|インボイス登録する?しない?登録判断チャート

インボイス登録をするかしないかは、取引先の業種や関係性によっても変わってくる。自分の状況によって判断が分かれるところだが、その目安となるチャートで、インボイス登録するか否か、また課税方式についても確認!

インボイス登録する?しない?登録判断チャート

HINT3|インボイス登録したほうがいい人としなくてもいい人は?

インボイス登録はあくまで任意であり、義務ではない。インボイスを要求されない、または発行する必要がない顧客や取引先、業種もある。以下の例を検討の参考にしてほしい。

インボイス登録したほうがいい人としなくてもいい人は?

HINT4|インボイス登録のメリットとデメリットをおさらい

結局のところ、インボイス登録する、しないのメリット、デメリットはどこにあるのか。課税事業者の課税方法の選択も含め、4つのケースでまとめてみた。

インボイス登録のメリットとデメリットをおさらい

構成/編集部 協力/守屋直子(税理士)

参考文献/『いちからわかる! フリーランス・個人事業主のためのインボイス入門』(インプレス)、『60分でわかる! インボイス&消費税 超入門』(技術評論社)、『世界一わかりやすい! インボイス』(高橋書店)、『週刊東洋経済』(東洋経済新報社)

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