Web広告運用人材の採用状況について
Q3,4では、現在も含めこれまでにWeb広告運用関連業務に従事したことのある「マーケティング職、広告・販促職」の88名、および「人事・採用職」213名の計301名に「企業側の採用ニーズ」に関して質問した。
企業側が採用したい人材は、「ミドルクラス」が36.8%と最も高い
採用に苦戦している人材は「ミドルクラス」が36.9%と最も高い
「ミドルクラス」は企業から最も求められており、同時に最も採用が難しい人材要件になっている。
次点で、「ジュニアクラス」と「シニアクラス」がほぼ同じ割合で求められている要件であり、採用活動に苦戦している割合は「シニアクラス」の方がやや小さい結果となった。
特に「ジュニア・ミドル・シニアクラス」と「エグゼクティブクラス」の間には大きな差があり、どちらかというと企画〜実行メンバーが市場で求められていることが考えられる。
Web広告運用人材のキャリア志向性と転職活動状況について
Q.5,6では、現在Web広告運用業務に従事している方63名の方に「キャリア志向性や転職活動状況」について質問した。
採用ニーズが高い「ミドルクラス」が、希望する職種は、「マネジメント領域」が36%
企業側の採用ニーズが高いミドルクラスの今後のキャリアについて質問すると、マネジメント職への希望が36.0%、マーケティング全般領域が32.0%と広告運用以外のマーケティティング領域への希望が全体の約7割を占める結果となった。
また広告運用領域での継続したキャリア展開希望は、8.0%と非常に低い結果となっている。
また全体でも広告運用領域に特化したスペシャリストのキャリアを志向する人の割合は低く、ジュニアクラスも次のキャリアとしては、広告運用以外のマーケティング領域でのキャリアを志望、もしくは、現状に満足していることがわかる。
いずれの役職でも「転職サイト」が大きいことから競合が多く、Web広告運用人材に対して積極的なアプローチをするとなると「転職エージェント」が有効
全体としては「転職サイト」、「転職エージェント」の順で多く活用されている結果となった。いずれの役職でも「転職サイト」が大きいことから競合が多く、Web広告運用人材に対して積極的なアプローチをするとなると「転職エージェント」が有効という印象だ。
その他、「知人・友人からの紹介」や「企業のキャリアサイト」の割合も一定あるものの、企業側からすると自社を認知してもらっていないと採用するのは厳しいと言えるだろう。
また、ミドルクラスのWeb広告運用人材を採用するには、Q2の結果(ミドルクラスの年収平均「400〜600万円」)を踏まえると、年収で「601万円〜」を見積もって報酬設計しないと、求職者にとって魅力的ではない求人になる可能性が高そうだ。
転職エージェントを活用した採用になると、社会保険料や設備費も加味して初年度で1,000万円を超えてくるため、ジュニア・ミドルクラスのWeb広告運用人材を採用するには大きなハードルがある。
今回の調査を踏まえ、Web広告運用人材の年収の傾向が見えてきたが、キャリア志向性・転職活動状況を踏まえると、Web広告運用人材を採用するには大きなハードルがあることもわかった。
Web広告運用を内製化したい広告主や即戦力人材を確保したい広告代理店にとって、十分な採用予算を確保できるかどうかが重要となりそうだ。
調査概要
調査機関/株式会社キャスター(調査委託先)
調査方法/インターネットリサーチ
調査時期/2023年5月16日~2023年5月29日
調査対象/
居住地:全国
年齢:23歳以上60歳以下
性別:男女
職業:会社員(正社員)
職種:マーケティング職、広告・販促職、人事・採用職
有効回答数/301名
関連情報
https://shirofune.com/inhousemarketinglab/survey202309/
構成/清水眞希