「ICU」という言葉を、誰しも一度は目にしたことがあるはず。医療用語として使われることが多い言葉だが、その他の用法や類似した言葉も存在するため、意味をしっかりと理解した上で、適切に使い分けをする必要がある。
そこで本記事では、ICUの正式名称と意味、似た意味を持つ関連用語を紹介する。
ICUは何の略語?
ICUは英語を略した言葉だが、略している英語の内容によって意味合いが異なる。
■Intensive Care Unit
医療分野におけるICUは、“Intensive Care Unit”の略語。“Intensive”は「集中的な」、“Care Unit”は「治療室」を意味し、日本語では「集中治療室」と呼ばれる施設のことを表す。
集中治療室は、命の危機にある重篤な患者が入る施設で、一般病棟よりも集中的に治療を行う体制を整えている施設だ。主に重篤な患者、手術後に常時容態の観察が必要な患者が利用することが多い。専任の医師に加え、患者2人につき看護師1人の配置が義務付けられている。ICUでは、常に患者の容体を確認できるよう、24時間体制で患者の治療を行う。
■International Christian University
ICUは、東京都三鷹市に位置する国際基督教大学の英語名“International Christian University”の略語としても使用されている。
国際基督教大学は、学問分野を越えて社会問題に立ち向かう力を養うためのリベラルアーツ教育が特徴の大学で、学部は教養学部アーツ・サイエンス学科のみ。31の専修分野から主専攻分野を決定する履修方法や個性的な入学試験方式など、大学運営において独自の要素を多く取り入れている。
ICUと似た意味を持つ言葉
ここからは、医療分野におけるICU(Intensive Care Unit)と似た意味を持つ関連用語を3つ紹介する。
■HCU
HCUは“High Care Unit”の略語で、日本語では「高度治療室」や「準集中治療管理室」と呼ばれる。重症化のリスクがある患者や手術後の患者など、ICUで対処する患者よりも重篤度が低い患者がHCUに入る。一般病棟とICUの中間的な役割を果たす施設で、常勤医師1人以上、患者4名につき看護師1名以上の配置が義務付けられている。
■CCU
CCUは“Cardiac Care Unit”の略語。日本語では「循環器疾患集中治療室」と表す。なお、“Coronary Care Unit”の略称として用いられることもあり、その場合は「冠動脈疾患集中治療室」を意味する。
CCU(循環器疾患集中治療室)は、心臓に関する疾患への対応を専門とする集中治療室だ。専従する医師を常時配置すること、患者2名につき看護師1名を配置することが義務付けられている。
■SCU
SCUは“Stroke Care Unit”の略語で、日本語では「脳卒中集中治療室」のほか、「脳卒中ケアユニット」「脳卒中センター」と呼ばれることもある。“stroke”は一般的に「打つこと、鳴らすこと」といった意味合いで使われることが多いが、医学用語として使う場合は「脳卒中」を意味する点に注意しよう。
SCUは、主に脳に関する疾患を発症して間もない方が入院する施設であり、迅速な対応を行うための環境が整っている。患者3名につき看護師1名に加え、リハビリの経験がある理学療法士か作業療法士のいずれかの配置が義務付けられている。
ICUをはじめとした施設における看護師の仕事内容
最後に、ここまで紹介した施設における看護師の仕事内容を紹介する。
■ICU
ICUにおける看護師の主な仕事としては、患者が入院するための準備、医療機器の管理、モニタリング、生活のサポートなどが挙げられる。ICUは受け入れる患者の疾患が限定されていないため、他領域にわたる幅広い知識を駆使した対応が求められる。
また、入院患者の親族に対して心的ケアを行うのも重要な仕事の一つだ。ICUでは面会時間も限定されるため、看護師がしっかりと状況を説明し、親族の不安を和らげる必要がある。
■HCU
HCUにおける看護師の主な仕事は、患者の経過観察や生活のサポート、医療機器の管理など。HCUに入院する患者は容体が急変する可能性もあるため、患者の様子に気を配りつつ、的確なサポートが求められる。患者の症状の把握はもちろん、HCUで取り扱う機器に関する知識も必要になるだろう。
■CCU
CCUにおける看護師の主な仕事としては生活サポート、点滴、モニタリング、検査のサポートなどが挙げられる。心臓血管疾患は緊急性の高い疾患も多いため、迅速かつ的確な処置を行う準備は欠かせない。患者の容体も変わりやすいため、異常をすぐに発見できるよう絶えずモニタリングを行わなければならないほか、子細な変化も見逃さない注意力も求められる。
■SCU
SCUにおける看護師の主な仕事は、モニタリング、身体検査、リハビリのサポートなど。脳卒中は死に至る可能性も高い疾患である上に後遺症が残りやすい疾患でもあり、初期の対応がその後の患者の容体を左右する。常に患者の様子を気にかけ、異変があれば迅速かつ適切に対処を行う必要がある。
文/編集部