ソニーとKDDIは、5G SA(スタンドアローン)の商用ネットワークにおいて、イベント会場など混雑した環境下でもゲームストリーミングに必要な通信品質を確保する実証実験に成功したと発表した。
ソニーのモバイルコミュニケーションズ事業は、通信技術の研究および開発を積極的に進めており、グループ全体で5G通信を活用するニーズが高まるなか、5Gの利点を享受する用途のひとつとしてゲームストリーミングがあり、ソニーはその活用推進に積極的に取り組んでいる。
一方、KDDIは2023年4月からauで5G SAサービスを開始。Xperiaスマートフォンの5G SA対応も進むなか、ソニーとKDDIは、ネットワークスライシングなどの5G SA特有の機能を活用した新たなビジネスユースケースやエンターテインメントサービスの創出に向けた技術実証を進めている。
新型コロナウイルス感染症による外出自粛が解消されて外出頻度が増えている昨今、外出先でゲームストリーミングなどを楽しむ機会も増えており、ゲームの映像と操作に最適化したネットワーク環境が求められる。
そんな背景から、ソニーとKDDIは、ゲームストリーミングを多くの人に快適に楽しんでもらえるよう、5G SA活用の技術実証を推進。外出先の5G SA環境で安定してゲームストリーミングが楽しめるネットワークスライスの確立や、複数のネットワークスライスを使い分けて、より快適なプレイができる技術実証などを行なってきた。
今回行なわれた実証実験では、ソニーが設定した、ゲーム体験の快適さと通信品質の相関性をはかるゲームストリーミングの指標「ゲーム体感レベル」において、プレーヤーがストレスなく快適にゲームを楽しめる通信品質を提供するため、ゲームストリーミング用にカスタマイズしたネットワークスライスにXperiaスマートフォンを接続。
これにより、公衆の5Gネットワークにおいて、混雑時も動画視聴やSNSなどの一般の5G利用に影響なく、ゲームストリーミングに必要な品質を確保し、安定したゲームプレイができることを確認したという。
なお、今後の活用事例としては、「例えばスタジアムやイベント会場の混雑した環境下においても、スマートフォンから自宅の家庭用ゲーム機やクラウドゲームなどのゲームストリーミングを快適にプレイできるようになることが想定される」としている。
関連情報
https://www.sony.co.jp/
https://www.kddi.com/
構成/立原尚子