世界中の子どもたちに人気の「Roblox」。2022年だけで580万ものゲーム(ワールド)がリリースされ、ユーザーはプレイヤーやクリエイターとしてRobloxという巨大プラットフォームを楽しんでいる。1日のアクティブユーザー数は6600万人にも上り、ユーザーの半分が13歳以下だという。
ここ数年ではティーンエイジャーに最も訴求できる場として、企業がRobloxにゲームをリリースするケースも増えてきている。昨年だけでも200以上のブランドが参入している。Robloxはまだまだ日本での知名度は低く、日本企業やIPがRobloxに参入するケースは珍しい。
しかし、この冬、ドラえもんを題材にしたゲームがRobloxにリリースされることが発表された。国民的キャラクターのRoblox進出は、Robloxの日本市場に大きな影響を与えてくれそうだ。
東京ゲームショウ2023で『ドラえもん のび太のゴーゴーライド!』が発表
9月21日、東京ゲームショウ2023で開催されたステージイベント「Robloxが解き放つ新たな可能性:日本におけるクリエーションの未来」において、『ドラえもん のび太のゴーゴーライド!』の制作を発表した。
『ドラえもん のび太のゴーゴーライド!』の発表に会場は大きく盛り上がった
ステージイベントでは、Roblox米国本社のZhen Fangさん(Roblox Head of International)を中心に、藤子・F・不二雄プロダクションプロデューサーの関野亮夫さん、『ドラえもん のび太のゴーゴーライド!』の開発を担当するEnish社のパートナーアライアンス推進室室長の大谷康仁さんが「Robloxと日本のIP」についてディスカッションを行なった。
以前からRoblox社は、日本の企業、ブランド、IP、文化など日本のコンテンツが今後Robloxに増えてくることを期待しており、日本市場は、最も注目のマーケットであると公言をしていた。
ステージイベントでも過去4年間で日本のユーザー数について言及し、日本におけるRobloxの1日の平均アクティブユーザー数は2019年から2022年の間に1880%増加していることを強調。そこに日本の国民的キャラクターであるドラえもんが進出するということで、Robloxとしても『ドラえもん のび太のゴーゴーライド!』にとても期待している様子が見て取れた。
同時に、藤子・F・不二雄プロダクションの関野氏も子どもたちにとってゲームは外せない存在であり、Robloxはいままでドラえもんが持てなかった接点を増やすプラットフォームであると期待を口にしていた。
『ドラえもん のび太のゴーゴーライド!』のティザー動画
『ドラえもん のび太のゴーゴーライド!』はドラえもんやのび太をはじめとしたお馴染みのキャラクターたちが多数登場予定で、「ライド」の名の通り、車や船、あるいはひみつ道具や恐竜、自分の足で走るといった、さまざまな乗り物、方法で楽しむパーティーレースゲームだという。
しかし、Robloxでリリースされるゲームは一つのワールドとして公開される。これまで発売された他のドラえもんのゲームとは違い、ドラえもんがどのようなコンセプトを持ってRobloxのワールドを創り上げるのか楽しみだ。
ただのゲームではなく、友人たちとチャットをしたり会話をしたりして時間をすごすハングアウトとしての空間として楽しむこともできるかもしれない。もしかしたら、ドラえもんの世界がそのままRobloxに再現され、ユーザーたちはドラえもん世界の住人のように遊ぶことができるかもしれないのだ。
Robloxとドラえもん、二つのコンテンツの融合の今後に注目していきたい。
取材・文/峯亮佑