「カーナビ」「バックミラー」「クラクション」「フロントガラス」など、車用語には和製英語が大量に使われている。国内で使う分には困らないが、海外では通じないため、これらの言葉の英語バージョンも押さえておくと安心だ。「ステアリングホイール」は、通常、別の和製英語で呼ばれることが多い車パーツの一つ。最近では「ステアリングホイール」という英語の名称も浸透しつつあるため、元の和製英語と合わせて覚えておきたい。
そこで本記事では、「ステアリングホイール」の意味や仕組み、運転を快適にするためのステアリングホイールのカスタマイズについて解説する。
「ステアリングホイール」は「ハンドル」の和製英語
ステアリングホイールとは、車の進行方向を調整するパーツを指す。日本語では「ハンドル」と呼ばれることが多いが、これは和製英語。海外では英語の「ステアリングホイール(steering wheel)」を使用するのが一般的だ。
「ハンドル」と「ステアリングホイール」の違いは?
ハンドルとステアリングホイールは同じ物を指しているため、違いはない。「ハンドル=ステアリングホイール」であると知っていれば、英語で「ハンドルを切る」と表現したい場合に「turn the(steering)wheel」と言えば良いことがわかるので覚えておくと良いだろう。
「ステアリング」とはどんな意味?
ステアリングホイールは、「ステアリング機構の一部である輪状のパーツ」を意味する。「ステアリング機構」とは、車の進行方向を操作する操舵装置全体(ステアリングシステム)のこと。ドライバーが直接操作するステアリングホイール以外にも、そこに繋がる形で「ステアリングコラム」「ステアリングギアボックス」などの多くのパーツから成っている。
ステアリングホイールの構造と各部の名称
ステアリングホイールは通常円形をしており、円の中心部分がステアリング機構の一部(ステアリングシャフト)に接続している。ドライバーが手で握る部分を「リム」、ステアリングシャフトに接続する中心部を「ハブ」、ステアリングホイールとステアリングシャフトを繋ぐパーツを「スポーク」と呼ぶ。
運転中のドライバーがステアリングホイールを回すと、回転の力がステアリングシャフトに伝わり、ステアリングホイール(大きな円)からの力が、ステアリングシャフト(小さな円)を回転させる。大小の円の間で「てこの原理」が働くことにより、ドライバーは軽い力で車を操縦できる仕組みだ。つまり、ステアリングホイールの直径が大きいほど、ステアリングシャフトに伝達される力も大きくなる。
また、ステアリングホイールのデザインや材質には、さまざまなバリエーションがある。芯材は主に金属(鋼、アルミ合金など)、表面材はウレタン樹脂、ポリプロピレンのほか、革や木製なども使われる。また、中央部分にはクラクションを鳴らすための「ホーンボタン」や「エアバッグ」などの装備がある。
快適な運転のために「ステアリングホイール」をカスタマイズ
車の運転における重要部品の一つであるステアリングホイールだが、安全に支障がない範囲であれば自分好みにカスタマイズすることも可能だ。
ここでは、車の内装にこだわりがあるドライバーであれば気になるステアリングホイールのカスタマイズについて紹介する。
ステアリングホイールは交換できる?
ステアリングホイールの交換は、法的には問題なく、車検に通らない改造にも該当しない。ただし、交換する部位によっては「エアバッグが使用できなくなる」「純正のステアリングホイールに付随している操作ボタン等が使えなくなる」といったデメリットもあるため注意しよう。
ステアリングホイールを交換する際は、エアバッグの誤作動防止やハンドルのセンター位置の調整などが必要となるため、決してドライバー自身では行わずに専門店に依頼したい。
冬の寒さに便利な「ステアリングホイールヒーター」とは
冬場の運転では指のかじかみが気になるドライバーも多いだろう。しかし、ヒーターを内蔵したカバーをステアリングホイールに取り付けることで運転中の寒さ対策ができる。一方、ヒーターを内蔵したホイールに交換する方法もあるが、カバー型のヒーターよりも費用がかさむので予算も考慮しながら対策方法を検討すると良いだろう。
ステアリングホイールにボタン(スイッチ)を取り付け
近年は、ステアリングホイールの部分にオーディオやカーナビ、スマートフォンのハンズフリー通話などの操作ボタンを装備した車種が増えている。商品によっては後付でステアリングホイールに取り付けることも可能だ。デジタル機器を車内でも便利に使いたい場合はチェックしてみよう。
※データは2023年9月下旬時点のもの。
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文/編集部