クルマの「コンソール」ってどこを指す？

車のパーツや内装を指す言葉には、別分野で使われていたものが転用されるケースが多い。「コンソール」もそんな言葉の一つだ。車用語としての意味だけではなく、他の分野での使い方も知っておくと役立つだろう。 

そこで本記事では、車の「コンソール」の位置や役割、車以外の他分野で使われる場合の「コンソール」の意味について解説する。 

車のコンソールは運転席と助手席の間の内装一式を指す 

車用語の「コンソール」は、運転席と助手席の間に設けられた一段高い場所を指す。操作レバーやスイッチ、小物収納などが集まった一角で、「センターコンソール」「コンソールボックス」とも呼ばれる。 

車のコンソールには何が置かれている？ 

車のコンソールには、運転操作に欠かせないシフトレバーやサイドブレーキレバーがある。また、座席の調整ボタン、エアコンやカー・オーディオなどの操作ボタン、カーナビのコントローラーといった各種のボタン・スイッチもコンソールに置かれることが多い。さらに、車のキーなどの小物入れやカップホルダーといった収納スペースとしても活躍する幅広い用途を持つ場所だ。 

コンソールはいらない？センターコンソールのない車もある  

セダンのような後輪駆動車（FR車）の場合、エンジンの動力を変速させて後輪に伝えるための機構（トランスミッション）が、運転席と助手席の間部分に張り出しており、これをカバーするために高めのコンソールを装備している車種が多い。 

一方で、現在主流の前輪駆動車（FF車）は、エンジンと駆動輪の距離が近いため内部機構を小型化でき、運転席と助手席の間をフラットにすることも可能だ。ミニバンなどは車内空間を広く取るためにコンソールのない車種も多い。 

車のコンソールをカスタムする場合に注意したいこと 

コンソールには、車の操作機能が集合している場合が多い。そのため、ビデオやオーディオ機器、収納等を後付けで取り付けたり、コンソールボックスに収納筒を増設する場合は、元の機能を損なわないかどうかをよくチェックしよう。 

同音異義語もチェック！さまざまな「コンソール」 

「コンソール」は、車用語以外にも複数の分野で使われている。ほとんどの場合、文脈によって見分けることができるが、元の意味を知らないと混乱しやすいため、その他の分野における「コンソール」の意味についてもこの機会に覚えておこう。 

IT用語の「コンソール」は入出力装置 

車のコンソール以外でもっともよく知られているのは、IT用語の「コンソール」だろう。コンピューターのスイッチ、メーター、表示器類を備え、一箇所でまとめて操作・制御する台を指す。別名を「制御卓」「操作卓」とも呼ぶ。 

現在の小型コンピューター（パーソナルコンピューター）が普及する以前の大型コンピューターは、制御盤で一括して入出力操作を行っており、この制御盤を「コンソールパネル」と呼んだ。パソコンの場合は、ディスプレイ（表示装置）とキーボード（入力装置）を合わせて「コンソール」と呼ぶことが多い。 

テレビやラジオの「コンソール（型）」は大型で脚付きの機種を指す 

テレビやラジオなどの家電製品のうち、脚付きのキャビネットに収まった家具調のものも「コンソールテレビ/ラジオ」「コンソール型テレビ/ラジオ」と呼ばれる。床に置いて使用する大型の機種で、コンソール型ラジオは1920年代にアメリカで大量に生産された。日本ではこの型のラジオの普及は進まなかったものの、コンソール型テレビが1953年に発売され、60～70年代にかけて普及した。 

パイプオルガンの演奏台（席）も「コンソール」と呼ぶ 

英語の「コンソール（console）」には、パイプオルガンの演奏台（演奏席）の意味もある。パイプオルガンのコンソールには「手鍵盤」「足鍵盤」「譜面台」「ストップレバー」「コンビネーションボタン」「スエルペダル」といった複数の部位からなり、巨大なオルガンを演奏者が一括で制御している。 

※データは2023年9月下旬時点のもの。

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文／編集部