キヤノンは、業務用映像制作機器「CINEMA EOS SYSTEM」にRFマウントを採用した「RFシネマレンズ」を新たに展開し、その新製品として、フルマニュアル仕様の単焦点レンズ「PRIME Lens」シリーズ7製品を2024年1月下旬より順次発売すると発表した。
ラインナップは、「CN-R14mm T3.1 L F」(2024年2月下旬発売予定)、「CN-R20mm T1.5 L F」(2024年3月下旬発売予定)、「CN-R24mm T1.5 L F」(2024年1月下旬発売予定)、「CN-R35mm T1.5 L F」(2024年1月下旬発売予定)、CN-R50mm T1.3 L F(2024年1月下旬発売予定)、「CN-R85mm T1.3 L F」(2024年1月下旬発売予定)、「CN-R135mm T2.2 L F」(2024年4月下旬発売予定)の7機種。価格はいずれもオープン。
今回発表された7機種(焦点距離:14/20/24/35/50/85/135mm)はいずれも、シネマレンズとして初のRFマウントを採用したフルマニュアル仕様の単焦点レンズ。4K・8Kカメラに対応する高い光学性能とシネマスタイルに適した操作性に加え、RFマウントによる通信機能を兼ね備えている。
キヤノンでは、「新たに投入した『RFシネマレンズ』を皮切りに、今後、RFマウント対応の映像制作機器のラインアップを拡充し、映画・ドラマ・テレビCMをはじめとするプロの映像制作現場のニーズに応えていく」としている。
↑EOS C70との組み合わせ(装着レンズ:CN-R85mm T1.3 L F)
<主な特徴>
■シネマレンズ初のRFマウントを採用
7機種ともに、RFマウントを採用したデジタルシネマカメラ「EOS C70(2020年11月発売)」と「EOS R5 C(※1)(2022年3月発売)」に対応したレンズ。
RFマウントの通信プロトコルに対応し、従来機種(※2)と同様に倍率色収差補正・周辺光量補正・デュアルピクセルフォーカスガイドがカメラ側で行えるほか、新たに歪曲収差補正も実現。これにより、撮影現場だけでなく、撮影後の編集作業においても効率的な映像制作を支援する。
■4K・8Kカメラに対応する高い光学性能と単焦点レンズならではの柔らかな映像表現
大口径非球面レンズや異常分散ガラスを用いたレンズを最適配置することにより、4K・8Kカメラに対応する高い光学性能を実現。
また、フルサイズ・ラージフォーマットセンサー対応と明るいT値(※3)の実現、11枚の絞り羽根の採用により、浅い被写体深度と円形に近い自然なボケ表現や柔らかな映像表現が可能だ。さらに、シリーズ共通でカラーバランスを統一しているため、同一シーンの撮影でレンズ交換を行う際に色味の調整などの手間を軽減できる。
■プロの映像制作に適した操作性・デザイン
操作リングに適度なトルク感を持たせることで、シネマ撮影に求められる緻密かつ粘りのある操作性を実現。また、シリーズ共通設計により、全機種間で操作リングのギア位置や前玉径、回転角(操作角度)などを統一しているため、マットボックスや外付けのフォーカス調整用アクセサリーなどの取り付け位置を、機種ごとに調整する必要なくスムーズなレンズ交換が行なえる。
さらに、マウント付近には手になじみやすいローレット加工を追加することで、レンズ着脱時に操作リングを持つことなく確実な保持が可能だ。
※1 「EOS R5 C」は、「VIDEOモード」時のみの性能保証。
※2 EFマウント対応の「PRIME Lens」シリーズ。
※3 F値がレンズの焦点距離と口径から割り出される明るさの理論値であるのに対し、T値はF値にガラスの透過率を含めた値で、シネマレンズの明るさは一般的にT値で表記される。
関連情報
https://canon.jp/business/solution/pro-img-sys/cinema-eos/lineup/ces-lens
構成/立原尚子