【AJの読み】堅苦しい法事のイメージと異なり、楽しく語り合い故人を偲ぶ会に
「リビング法事」は利用者の意向に沿った様々な形での実施が可能なサービス。今回は小平にあるフューネラルリビングを会場としたリビング法事を体験した。
高級マンションの一室のような雰囲気のフューネラルリビングは、遺族の自宅を訪問するような感覚で来場できる。故人の「大野さん」は大のヤクルトファンで、オムレツが大好物。ブーケ祭壇は好きな花だったひまわりで飾られている。
食事は客の要望に応じてカスタマイズが可能。寿司好きだった故人なら職人を呼んで会場で寿司を握ってもらうことできる。今回はビュッフェと寿司が提供されたが、「大野さん」はオムレツが好きだったので、祭壇にオムレツを供えながら、出席者もオムレツを食べながら故人を語らうという演出も。
近年は無宗教も増えていることから、焼香のほかにカーネーションの献花、水槽に浮かべる献花、ろうそくに火をつける献灯などバリエーションを持たせている。
「法事は家族・親族で実施するものが一般的でしたが、本サービスに関しては、家族・親族以外のご友人や同僚、教え子、趣味の仲間など、さらに範囲を広げて故人とゆかりのある方々にご案内をすることをおすすめしたいと考えております。
故人の趣味や思い出の品の展示、故人が好きだった料理、音楽などの演出、故人を偲ぶ映像をディスプレイで流すこともできます。食事だけではなく、弔いの語らいを広げる演出になると思います」(横田氏)
「リビング法事」は会場使用料が基本料金となるが、紹介したケースはブーケ祭壇、献花2種、献灯とフルサービスに近い空間演出とビュッフェスタイルの会食付き、10名~15名の設定で38万5000円。従来の法事のイメージを一新するような、ホームパーティーのような雰囲気で、遺族も友人、知人も和やかに故人を語らうことができる場だと感じた。
葬儀を終えても、墓、仏壇、位牌、納骨と、短期間に様々な準備しなければいけないため、遺族は四十九日法要までは、ゆっくりと故人に向き合う時間があまりないのが実情。
好きな形で故人を偲ぶ場をアテンドしてくれるリビング法事は、遺族や参列できなかった友人・知人にとってもありがたいサービスだ。
文/阿部純子