ガンプラをはじめとしたプラモデルを作る人は多いが、戦場となった街並みまで作る人はなかなかいない。鉄道模型を走らせる人も多いが、沿線の情景まで作り込む人となると、その数はぐんと減る。なぜか? 模型趣味において、ジオラマの製作はかなりハードルが高いものなのだ。理由は、技術面だけではない。単純に、揃えなければならない材料が多く、出費がかさむからだ。
必要な素材を全部盛り! ジオラマ製作の懐事情問題を解決!!
上の写真を例に説明しよう。ベースとなる台座はもちろん、森林を表現するなら「フォーリッジ」、草原や砂漠は「カラーパウダー」、樹木は「ライケン」、海や川などの水辺には、水面表現用の「波板」などを用意する必要があるのだ。単品なら数百円だが、すべて用意するとなると、かなりの額になってしまう。加えて、情景に合わせた建物の模型や人形も必要となるので、作ってみたいとは思うが、懐事情を考えると腰が引けてしまう……。
そんなモデラーの悩みを解消してくれる女神が現れた! 近年、YouTube界隈で〝ゴシゴシ姐さん〟と呼ばれているプロモデラーのオオゴシトモエさんだ。
オオゴシトモエさん
広島県出身。モデラー・ライター。 大阪芸術大学/大阪芸術大学短期大学部講師。近著『もっと楽しい!フレームアームズ・ガール塗装の教科書』のほか、プラモデルやガンプラ製作のHow to本を出版。模型趣味の楽しさを伝えるべく、全国のホビーショップや量販店の玩具売り場のイベントに出演しまくっている。https://054tomoe.com/
「これだけ買えば、ジオラマが作れちゃいますよ」
そう言いながら両手に掲げたのは『ジオベース エントリーキューブ ―はじめてのジオラマキットー』だ。学校教材・教育玩具メーカーの「アーテック」とオオゴシさんらがプラモデル教室などを開催する「模型&JOY」が共同開発。この模型の何がすごいの、オオゴシさんに聞いてみた。
「ジオラマ用の粘土『ジオベース』と、木やパウダーなどの各種ジオラマ素材を使用し、10㎝角のベース上で、オリジナルジオラマを製作できるキットです。工作用のボンドやビニール手袋などもセットに入っているので、箱を開けてすぐに作業を始められるのがポイント! ジオラマ製作に必要な素材をあれこれと購入せずに済むので、初心者はもちろん、子供も気軽にジオラマ製作を楽しめますよ」