非常食も試食してみないとわからない?
非常食も、ひと味違う。「3日分の非常食を備えよう」と記したポップがあるコーナーには、非常食=カンパンという固定概念がある@DIME記者からすると、これが非常食!? と驚くものが並んでいた。
中でも気になったのが、『WORLD’S STREET FOOD 世界屋台めし』シリーズだ。魯肉飯(ルーローハン)、ガパオ、酸辣湯(サンラータン)、胡麻味噌坦々、参鶏湯(サムゲタン)、肉骨茶(バクテー)など、商品名どおり世界各地のグルメを、ご飯にかけるだけで手軽に味わえるという。
「ローリングストックを意識した商品を用意しています。普段も食べたくなるもの、食べているものを非常食としてストックしておくことで、自然と『備える』→『食べる』→『買い足す』というサイクルが生まれます」(渡辺さん)
こんなラインアップを見たら「食べてみたい!」と思うのがフツー。そんな人に向けて、カインズでは「非常食試食会」を開催(現在は終了)。用意していたのは、尾西食品の『携帯おにぎり』シリーズ。パッケージ内に水かお湯を入れるだけで作れるおにぎりなのだが、果たして味のほうは……いざ、実食!!
てっきり、水で作るというのでベチャベチャしていると思っていたが、フツーに、いやめっちゃ旨かた。思わず、別の味も試したい……という理由をつけて3つ分もお代わりをしてしまった。
「ほかにも防災の意識を高める取り組みをしています」と言いつつ、渡辺さんが差し出したのは「防災クイズラリー」のシートだ。家族連れのユーザーに楽しみながら防災知識を高めてもらおうと考えたものだという。店内のそこかしこに答えと、それにともなう防災のヒントが記されているので、ショッピングを楽しみながらクイズを楽しめるのだ。
最も感心したのは、店内で「洪水ハザードマップ」や「地震防災マップ」を配布していること。自身が暮らす地域のハザードマップを把握しておいたほうがいいのは誰もが知っているが、忙しい日常の中でわざわざネットで検索することはないだろう。何気なく買い物にきたホームセンターにそれがあれば、自然と手に取り、情報を得ることができるもの。このほか、独自で制作した『防災BOOK』も配布。地域に根ざしたホームセンターだからこそできる、防災の意識付けと言える。
こんな〝微に入り細を穿つ〟取り組みをするからこそ、カインズがホームセンター売り上げ第1位となったのだろう。惜しむらくは、カインズオリジナルの防災グッズが、まだ少ないこと。デザイナー・サトウオオキ率いるnendoとの協業が発表された。近いうちに、カインズらしい防災グッズが発売されることを期待したい。
取材・文/寺田剛治