筆者が高校生だった頃、有名ライターの執筆した本を立ち読みした。中にこんなことが書いてあった。
「政治の話題にしろ芸能の話題にしろ、巷を騒がした話題は長くても3ヶ月で忘れ去られる」
この言葉は事実であるが、しかし今ではその考え自体が古くなっている。誰しもがオンライン接続されたスマホを操っている現代、火のついた話題は3ヶ月どころか1ヶ月足らずで見向きもされなくなることが殆どだ。
今回は去年の一時期話題になった「マイナンバーカードと運転免許証の一体化」について解説したい。てか、あの話は結局どうなったの!?
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来年末には「一体化」実現か
少し前までは普及率が伸び悩んでいたマイナンバーカードだが、今や日本在住者の大半がこのカードを保有している。
総務省の公式サイトによると、人口に対する保有枚数率は全国で71.7%。今やこれを持っていない人のほうが少数派、ということである。
その上で、マイナンバーカードと運転免許証の一体化に関しては令和6年つまり2024年の末までに実現するとしている。これは2020年に行われた『マイナンバー制度及び国と地方のデジタル基盤抜本改善ワーキンググループ』で発表されたスケジュールだ。
この予定は現時点で変更されておらず、さらに政府は「その先」も見据えている。即ち、運転免許証の機能をスマートフォンに搭載する計画だ。
今年6月6日に開催された『第4回デジタル社会推進会議』の議事録を見てみよう。
河野大臣: それでは、議長である岸田内閣総理大臣からご挨拶をいただきます。お願いします。
岸田内閣総理大臣: 本日は、我が国が目指すデジタル社会の姿と、それを実現するために重点的に実施する施策を明記した「重点計画」の改定案を取りまとめました。今回の「重点計画」の改定では、アナログ規制の一掃とデジタル完結の推進、地方公共団体の基幹業務システムの統一・標準化、デジタル田園都市国家構想の展開など、デジタル社会の実現に向けた新たな取組を反映いたしました。
その中で、「デジタル社会のパスポート」であるマイナンバーカードについては、安全・安心対策を徹底しつつ、運転免許証、介護保険証など、既存の各種カードとの一体化やペーパーレス化の更なる推進、健康保険証、運転免許証などの機能のスマートフォンへの搭載、制度発足10年目を見据えた次期カードの検討開始に取り組むこととしました。
(第4回デジタル社会推進会議-デジタル庁)
岸田総理は、この会議で「運転免許証の機能をスマホに搭載する計画」について言及している。残念ながら、これに関する具体的なスケジュールは未定だが、いずれにせよ「運転免許証のデジタル化」はその実現に向けて少しずつ歩みを進めているようだ。