DIME MAGAZINE
交通系ICカードが苦境に立たされている。
その理由は、世界的な半導体不足だ。Suica、PASMO共に販売が中断されるなどの憂き目に遭っている。日本の交通系ICカードは突出した反応速度を誇るが、この状況ではもはやSuica、PASMOのみに頼ることはできないのでは……？
それは日本在住者のみならず、外国人観光客も同様である。そこで最近、鉄道事業において「交通系ICカード以外の決済手段の導入」が積極的に行われている。何と、QRコード認識を導入した自動改札機も登場したのだ。
ワンデーパスをQRコード化
8月30日、東急電鉄田園都市線でこのような実証実験が始まった。
クレジットカードのタッチ決済とQRコード認識による乗車である。
クレカはともかく、QRコード決済で電車に乗れるのか！？ ということは筆者も感じてしまった。素直に解釈すれば、これはPayPayや楽天ペイで電車に乗れる……ということか？
しかし結論を言えば、この実証実験はQRコード決済サービスで電車に乗れるという内容ではない。
東急電鉄の『Q SKIP』というデジタルチケットサービスで該当のチケットを購入し、そこに表示されるQRコードを自動改札機にかざすという仕組みである。PayPay等を利用するわけではないことはここで強調しておきたい。
Q SKIPで販売されているチケットは「田園都市線・世田谷線ワンデーパス」「田園都市線・世田谷線・東急バス ワンデーパス」「世田谷線散策きっぷ」である。今回は「田園都市線・世田谷線ワンデーパス」を購入してみた。名前通り、田園都市線と世田谷線の1日乗り放題チケットだ。
これを購入すると、画面上にQRコードが表示される。これは1分毎に更新されるから、予めスクリーンショットを撮ってそれを使う……ということはできない。
そして、Q SKIPは今のところアプリは用意されていないようで、今回はスマホからブラウザを開いた状態で利用した。このあたりで使い勝手を損ねている、というのは否めない。
というのも、QRコードを読み取る際にブラウザがいつの間にか縦から横になっており、QRコードの表示位置もズレてしまっていた……などという現象が起こったからだ。
しかし、この取り組みはあくまでも「実証実験」であることも忘れてはならない。
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