マーケティング・リサーチを手がけるクロス・マーケティングでは、全国20~79歳の男女2400名を対象に「気候変動に関する調査(2023年)」を実施。回答結果をグラフや図表にまとめて発表した。
この調査は、大気中の二酸化炭素濃度の増加やオゾン層破壊による紫外線量の増加による地球温暖化などの“気候変動”について、不安感や対策として行っていることなどを聴取したもので、本稿では自然災害や身体への影響、環境や生態系への影響、日本の食料自給率に対しての不安などについてお伝えしていく。
気候変動に対する不安
現在の気候変動に対し「不安に思う」は30%、「やや不安に思う」44%と合わせて74%は”不安感”をいだいている。今より10年先の気候変動への心配は、「心配に思う」は42%であり、現在の「不安に思う」割合より12pt高い<図1>。
不安項目
気候変動で起こる、自然災害や身体への影響に対する不安では、「大雨やゲリラ豪雨が増える」が64%と最も多く、「台風が増える」「熱中症にかかる」「農作物の品質低下や不作」「干ばつや渇水が増える」「竜巻・暴風が増える」が4割台と続く。
この夏、日本各地で起きた自然災害に関する項目が上位となった<図2>。
環境や生態系への影響に対する不安では、記録を更新する猛暑日が続いたこともあり「日本の四季がなくなる」は44%と高く、次いで「日本海域の魚貝の生息域の変化」「水質の悪化や水資源の減少」が3割台だった。
気候変動による生態系への影響よりも、自分の身にもいつか起きうる自然災害への影響の方が全般的に不安感が高い結果となった<図3>。
日本の食料自給率
日本の食料自給率について“2021年度の日本の食料自給率(カロリーベース)は、38%で先進国の中で最低の水準”を提示した上で不安度を聴取した。「不安に思う」は37%、「あまり不安に思わない」は42%、合わせて8割近くが日本の食料自給率に不安をもつ結果となった<図4>。
調査概要
調査手法/インターネットリサーチ(クロス・マーケティング セルフ型アンケートツール「QiQUMO」使用)
調査地域/全国47都道府県
調査対象/20~79歳の男女
調査期間/2023年8月25日(金)~26日(土)
有効回答数/本調査2400サンプル
関連情報
https://www.cross-m.co.jp/report/other/20230914climatechange/
構成/清水眞希