カインズは今後の10年を見据え、新たなプロダクトブランドを佐藤オオキ氏率いるデザインオフィスnendoとの協業により開発。商品開発体制を刷新して発表した。
8つのプロダクトブランド
カインズは、日本型のホームセンターという業態を立ち上げた1978年の創業、オリジナル商品の開発へと舵を切った2007年のSPA宣言、そしてIT技術を活用してより快適で楽しい購買体験の実現を目指す2018年のIT小売業宣言と、小売業やホームセンターの枠にとらわれない挑戦を40年以上にわたり続け、顧客一人ひとりのくらしをサポートしてきた。
同社が開発するオリジナル商品は、国内外のデザイン賞を10年以上連続で受賞しているのに加え、SPA宣言を行った2007年度から2022年度までの間にオリジナル商品の売上高が約2.3倍に伸長するなど、各方面から高い評価を獲得している。
その一方で、ライフスタイルの多様化や昨今の物価高など、ユーザーのくらしを取り巻く環境やその中でのニーズは劇的に変化を続けている。
こうした中、同社では多様化するライフスタイルに対応し、これからの10年も顧客のニーズに着実に応えていくことを見据えて、今回新たなプロダクトブランドをデザインオフィスnendoとの協業により開発。商品開発体制を刷新した。
新体制の元、くらしのテーマをベースにした横断型チームによる商品開発は既にスタートしており、新たなプロダクトブランドの商品は、順次発売となる予定だ。
同社では今回の発表に際して「カインズは今後も、お客様の多様な声を反映した高付加価値な商品を開発し、よりお手頃な価格で提供することで、お客様一人ひとりの、ご家族の、そして地域のくらしをより楽しく、より豊かにしてまいります」とコメントしている。
新たな商品開発体制について
これまでバイヤー個人のアイデアや技量に頼りがちで、商品カテゴリーごと縦割りの環境だった体制を、ブランドチームによる企画立案と意思決定プロセスに刷新することで、従来の事業部やカテゴリーを超えた、ライフスタイル重視の商品開発を可能にする。
これにより、従来のより良い「商品」からより良い「くらし」へと、お客様に提供する価値を進化させていくという。
プロダクトブランドの設立について
商品開発の起点は、カインズの提供価値を体現した8つのくらしのコンセプト。そのコンセプトを元に、今回8つのプロダクトブランドが設立された。
くらしを「支える」
安全、安心であるということ。誰でもコーディネートできるということ。満足できる価格であること。この3つを備えた商品開発を通じて、プロダクトブランドCAINZは、ユーザーのくらしに寄り添っていく。
日々のくらしを「楽に」
くらしの中にあるちょっとした不便や、何かが足りないという思いに応える。そのサポートするのがCAINZ STYLE。日々のくらしを楽にする。ストレスを減らす。時間やスペース、笑顔を生み出す。くらしを支え、新たなくらしへと繋げるブランドだ。
日々のくらしを「すこやかに」
今日より明日、そして、よりすこやかな未来を目指して。その実現を手助けするのがCAINZ FIT。毎日、無理のない積み重ねで、健康なくらしをいつまでも続けたい。何気なく続けている習慣を見直して、ひとつひとつの質を上げてみたい。すこやかな毎日をサポートしながら、くらしの軸を作っていくブランドだ。
くらしを自分らしく「クリエイティブに」
本当にほしいものは、自分でつくりたい。そんなポジティブな想いを支えるのがCAINZ MAKE。自分で道具や材料を選ぶ。手を動かす。そんなプロセスそのものが楽しく、嬉しい。無理なく、気軽に、クリエイティブに。自分らしいものに囲まれたくらしを後押しするブランドだ。
いつものくらしに「プロの視点を」
各専門業界のプロにとっての常識を毎日のくらしに。そのサポートをするのがCAINZ IZMだ。便利さだけではなく、手に取りたくなるデザインで、日々のくらしに取り入れたい。日々のくらしに新たな気づきをもたらすブランドだ。
職人さんの一日を「よりよいものに」
家を出たときから、仕事を終えて家に帰るまで。現場で活躍する方々の一日をサポートするのがCAINZ PRO。
必要な道具がすぐに見つかる。信頼できるものがきちんと揃う。仕事中も、休憩中も、気分よく、胸を張ってすごせる。道具はもちろん、身だしなみにもこだわりを。仕事がもっと好きになる、誇らしくなるブランドだ。
“うちの子”とのくらしを「心地よく」
人生を豊かにしてくれる、ペットとのくらしを楽しみたい。大切な家族だからこそ、共に過ごす環境をもっと快適に。そのサポートをしてくれるのがCAINZ PETだ。ペットの健康を第一に考えながら、心地よい空間づくりも実現。もちろん、おでかけの時間にも浮き立つ気分を。ペットも人も幸せに。そんな、“あたりまえ”をつくるブランドだ。
自転車をくらしの「パートナーに」
大容量でおしゃれなカゴがあれば買い物が楽になる。季節を感じて走ると気分が解放される。移動時間を運動の時間に。そんな自転車ライフに並走するのがCAINZ CYCLE。くらしのパートナーとして活躍する自転車だから、メンテナンス&チューンアップのバックアップも万全。自転車とのくらしが、より楽しくなるブランドだ。
デザインオフィス nendoについて
2002年に佐藤オオキ氏を中心に設立されたデザインオフィス。東京とミラノに拠点を持ち、建築、インテリア、プロダクト、グラフィックと多岐に渡るデザインを手掛ける。東京オリンピック の聖火台デザインを担当し、現在は2024年に向けてフランス高速鉄道 TGV 新型車両のデザインに取り組むほか、2025年開催予定の大阪・関西万博日本政府館総合プロデューサー / 総合デザイナーを務める。
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構成/清水眞希