ロイヤルエンフィールドは、新型「Bullet 350(ブリット・サンゴ―マル)」の発売を発表した。限りない強靭さのシンボルであり、モーターサイクルと自動車の歴史において不朽の名声を誇るロイヤルエンフィールドBullet 350は、その伝説を新たな姿で継承。多くの実績のある、スムーズで洗練されたJシリーズエンジンプラットフォームを採用したこのアイコニックなモーターサイクルは、90年以上の伝統を誇り、力強い美学とクラフツマンシップ、そしてこれまで築き上げてきた活気に満ちたカルチャー、そしてロイヤルエンフィールドが象徴するコミュニティとキャラクターを融合させ続けている。
アイシャー・モーターズ社マネージングダイレクターのシッダールタ・ラル氏は、彼自身がBulletと過ごした旅の体験を振り返りつつ、以下のように述べている。
「1994年の夏、私はBulletに乗って、大胆不敵で冒険的なヨーロッパ横断の旅をしました。私より前にも、そして私より後にも、おそらく多くの人がこうした旅をしたことでしょう。しかしそれは私にとってモーターサイクルと過ごした最も記憶に残る経験でした。Bulletは、何世代ものライダーにとって、純粋なモーターサイクルの決定的なシンボルであると同時に、ロイヤルエンフィールドの歴史の重要な一部でもあったことは間違いありません。そのエンジニアリング、デザイン、魅力、象徴性、そしてそれが形作るコミュニティのキャラクターは、何十年という時を経てもなおストイックであり続けており、インドをはじめ世界中の多くのライダーや自動車愛好家にとって、名誉とアイデンティティの証しとして愛されてきました。今日、Bulletが新たな姿で走り出す中、その遺産を受け継ぐ上で重要な役割を果たせることを本当に光栄に思います」
1932年に発表された伝説的なロイヤルエンフィールド Bulletは、モーターサイクル・デザインの最先端を行く作品であった。1948年に抜本的に改良された折に加わった画期的なスイングアーム式リアサスペンションは、モーターサイクル界に旋風を巻き起こし、他のすべてのメーカーがすぐに追随した。
過酷な地形での卓越した性能、インド軍での活躍、そして1955年のマドラス(現在のチェンナイ)における生産開始により、ロイヤルエンフィールドBulletは数十年にわたりThe King of India’s roadsとして君臨するまでに成長。2010年、ロイヤルエンフィールドの象徴であるUCEエンジンを搭載して復活を遂げたこのモデルは、モーターサイクルとして、また文化的アイコンとして、人々の憧れであり続けている。
Bulletは、トライアルやインターナショナル・シックスデイズ・トライアル大会でチャンピオンになり、マン島TTレースでラップレコードを樹立し、最高峰の峠を制覇した。また、週末の小旅行から世界一周の冒険まであらゆる旅の信頼できる相棒になったり、頼もしい日々の移動手段や丈夫な作業車として使われたり、さまざまなカスタムバイクのプラットフォームとして使われたり、戦場に出たりと、世界中の100万人以上の情熱的なライダーの忠実なパートナーとして活躍してきた。
さらにBulletは世界で最も長く生産され続けているモーターサイクルモデルであるだけでなく、インドの社会構造の一部でもある。世代から世代へと受け継がれる家宝であり、1200を超えるライディングクラブが誕生。これらの忠実な愛好家にとって、コマーシャルフィルム等で長年愛されている楽曲Bullet Meri Jaan(「Bullet Is My Life」)はキャッチーなだけでなく、信頼性、ストイックさ、そして個性を象徴する強力なシンボリズムを体現している。
そして今、この最も実用的で信頼できるモーターサイクルは、そのユニークな伝統、堂々としたスタンス、オールメタルのボディ、独特の鼓動を発するトルク豊かなエンジンにより、エキサイティングな新時代へと導いていく。
ロイヤルエンフィールドのCEOであるB・ゴビンダラヤン氏は、新型Bulletの発表について次のように語った。
「私にとってBulletは、快活なエンジニアリングと美しさの紛れもないシンボルです。戦争と平和を揺るぎない信頼性で耐え抜き、90年以上にわたって最も勇敢な人々の味方であり続けてきました。ピンストライプが施され、3世代にわたる職人の手作業で作られたBulletは、流行や気まぐれに左右されることなく、その威厳ある魅力を保ち続けています。すっきりとしたシンプルなフォルムは、その頑丈さや気骨ある内面とは対照的です。私たちは、ロイヤルエンフィールドBulletが新たなフォルムとアバターへと移行し、100年、そしてその先へと揺るぎなく走り続けるために、意識してその遺産のエッセンスを保持するよう努めました」
新型Bullet 350は、Meteor、Classic、Hunterにも搭載され、世界的に高い評価を得ている最新の349cc空油冷単気筒エンジンを搭載。フューエルインジェクションにより、最高出力20.2ps/6,100rpm、最大トルク27Nm/4,000rpmを発生し、低回転域での力強さ、非常にスムーズでリニアなパワーデリバリー、洗練された爽快な走りを実現している。
振動を低減するプライマリーバランサーシャフトを採用することで、レスポンスと洗練されたフィーリングをかなえている。最適化された5速ギアボックスによって変速はキビキビとスムーズで、最高のライディングエクスペリエンスを約束。シャシーには、ハンドリングと操縦性を向上させる設計が施されている。
これまでのBulletよりもサスペンションは硬めに設定され、コーナリングスピードを上げたときの安心感を高めるとともに、直線道路ではしっかりとした安定性を感じさせる。また大径41mmフロントフォークと、フロント100/90-19、リア120/80-18というワイドセクションタイヤが、これまでのBulletよりもハンドリングを向上させている。
フロントは300mmディスクブレーキ、リアは270mmディスクまたはドラムブレーキを装着。快適性を確保するシングルベンチシートは、マッドガードのデザイン変更とともに、巧妙に進化したスタイリングに貢献しており、このモーターサイクルのプロポーション、スタンス、美的バランスを著しく向上させている。
Bullet 350はインドでは3つのエディションでリリースされ、すべて手作業で仕上げられたプレミアムな仕上がりでライダーを楽しませる。「ミリタリーレッド」と「ミリタリーブラック」は、シングルチャンネルABS、リアドラムブレーキを装備し、ソリッドカラーのシングルタンクと上品なデカールで仕上げられている。
ブラックまたはマルーンカラーの「スタンダード」は、デュアルチャンネルABSとリアディスクブレーキを装備し、エレガントなハンドピンストライプのボディカラータンクとコンポーネント、クロームとゴールドのバッジで仕上げられている。
「ブラックゴールド」は、マット&グロスブラックのタンク、カッパー&ゴールドの3Dバッジ、カッパーのピンストライプ、流行のブラックアウトされたエンジンとコンポーネントの組み合わせが印象的な仕上がりで、デュアルチャンネルABSとリアディスクブレーキが装備されている。
3モデルとも、特徴的な13ℓのティアドロップ型タンクと、1954年以来ロイヤルエンフィールド製モーターサイクルの不変の特徴である「タイガーアイ」と呼ばれるパイロットランプを持つ新しいヘッドランプを備えた、伝統的なロイヤルエンフィールド・キャスケットを装備。
さらに現代的なテイストとして、液晶インフォメーションパネルを内蔵する新しいデジタル・アナログ併用式メータークラスターと、ハンドルバーの下に配置されたUSB充電ポートが挙げられる。操作系には、使いやすさと人目を引くレトロな魅力を併せ持つ美しいスタイルのロータリースイッチ・キューブを採用し、デザイン、フィット感、仕上げがトップクラスとなるよう特別な配慮がなされている。
新型Bullet 350は、Bullet専用に設計・開発された9つのアクセサリーを含む、37の純正モーターサイクルアクセサリーによってサポートされ、その中には、快適なツーリングシートやローライズシート、ツーリングハンドルバーなどが含まれる。また、Bulletの伝説的なピンストライプのディテールを再現したアパレルなど、高品質なライディング・ギアも取り揃えている。
伝統に忠実でありながら、アップデートされ、新しい世代のライダーにふさわしいBulletは、ロイヤルエンフィールドの「純粋なモーターサイクル」のDNAを受け継ぐ役割を担っている。
※日本市場への導入に関しては別途案内するとしている。
関連情報:https://www.royalenfield-tokyoshowroom.jp/
構成/土屋嘉久