〝最強〟の呼び声高い「iPhone 15 Pro Max」は他モデルと比べて何が一番優れている？

2023年9月13日（日本時間）、アップルは最新モデルとなる「iPhone 15」シリーズを発表。9月22日に発売となります。

iPhone 15シリーズは、「iPhone 15」「iPhone 15 Plus」「iPhone 15 Pro」「iPhone 15 Pro Max」の全4モデル展開となります。ラインアップ自体は2022年に登場した旧型「iPhone 14」シリーズと共通なのですが、今回のiPhone 15 ProとiPhone 15 Pro Maxでは、わずかな性能差があり、注目されています。

そこで、iPhone 15 Pro Maxの新機能やiPhone 15 Proとの差分について、詳しくご紹介します。

iPhone 15 Pro、iPhone 15 Pro Maxの進化ポイントは？

まずは、前モデルのiPhone 14 Pro、iPhone 14 Pro Maxからの進化ポイントをチェックしていきます。

iPhone 15 Pro、iPhone 15 Pro Maxの大きな進化ポイントは、本体に使用されている素材が、前モデルのステンレススチールからチタニウムに変更されたという点。もともと金属素材を採用していたため、強度は十分でしたが、iPhone 14 Proは206g、iPhone 14 Pro Maxは240gと重いのが難点でした。

チタニウム素材になったiPhone 15 Proは187g、iPhone 15 Pro Maxは221gで、前モデルから20g近く軽量化。それぞれ、iPhoneの歴代〝Proモデル〟史上最軽量となっています。

また、iPhone 15、iPhone 15 Plus共に、充電ポートがUSB Type-Cになったのが大きな変更点です。iPhone以外のデバイスはあまり使わない、という人にとっては、特にメリットを感じないかもしれませんが、データの伝送速度や充電速度が上がるため、PCや周辺機器とiPhoneを接続する機会が多い人には便利。AirPodsシリーズ以外の完全ワイヤレスイヤホンなどを使っている人は、コードをひとまとめにできるといったメリットもあります。

iPhone 15 Pro、iPhone 15 Pro MaxはiPhone 15、iPhone 15 Plusと何が違う？

iPhone 15、iPhone 15 Plusには、2022年に登場した旧型iPhone 14 Proシリーズに搭載されていた「A16 Bionic」プロセッサが採用されているのに対し、iPhone 15 Pro、iPhone 15 Pro Maxには、3ナノプロセスを使用した最新の「A17 Pro」というプロセッサを搭載。前モデル比でCPU性能は最大10％、GPU性能は最大20％向上しており、ニューラルエンジンは最大2倍、レイトレーシングは最大4倍高速化しています。各性能が向上しているのはもちろん、特にグラフィクス性能が上がっているので、ヘビーなアプリゲームなどをプレイする人にとっては、うれしいアップデートポイントです。

また、iPhone本体の左側面に搭載されている「着信/サイレントスイッチ」は、「アクションボタン」へと変更されます。従来は音が出る状態と消音状態の切り替えに、スイッチを使っていましたが、iPhone 15 Pro、iPhone 15 Pro Maxでは、アクションボタンを長押しすることで、モードの切り替えができるようになります。

また、アクションボタンは設定をすることで、ボイスメモアプリの起動やライトのオンオフ切り替えなど、任意のショートカットを設定できます。あまりミュートのオン、オフを切り替えない人にとっては、便利な変更ポイントといえます。

本体カラーは、iPhone 15、iPhone 15 Plusがブラック、ブルー、グリーン、イエロー、ピンクのパステルな5色展開なのに対し、iPhone 15 Pro、iPhone 15 Pro Maxはブラックチタニウム、ホワイトチタニウム、ブルーチタニウム、ナチュラルチタニウムの4色展開。従来通り、Proシリーズでは金属の光沢感を活かした、高級感のあるデザインが採用されています。

また、望遠カメラはProシリーズにのみ搭載。ディスプレイの常時表示や、最大120Hzリフレッシュレートも、Proシリーズならではの特徴となっています。

iPhone 15 ProとiPhone 15 Pro Maxの大きな違いはカメラ性能

前モデルのiPhone 14 ProとiPhone 14 Pro Maxでは、ディスプレイサイズ程度の違いしかありませんでしたが、iPhone 15 ProとiPhone 15 Pro Maxでは、カメラの性能に差が付けられています。サイズ以外でも違いが生まれたのは、どちらのモデルを選ぶか決めやすくなったという意味で、わかりやすい差分ともいえるでしょう。

アウトカメラは、1200万画素の超広角カメラ（13mm相当）、4800万画素の広角カメラ（24mm相当）、1200万画素の望遠カメラ（77mm相当）の3眼構成。ここまではiPhone 14 Proと共通のスペックですが、新たにメインカメラで、画角を24mm、28mm、35mmから選択できるようになっています。

また、ポートレート撮影では、被写体が人や犬、猫の場合は自動的に認識して、焦点を当ててくれるようになります。撮影した写真は、後から別の被写体にフォーカスを切り替えることも可能です。

さて、ここまで紹介したカメラ機能は、iPhone 15 ProとiPhone 15 Pro Maxで共通。2モデルの大きな違いは、ペリスコープカメラを搭載することで、120mm相当の光学5倍ズームに対応している点です。

iPhoneを含む、望遠レンズを搭載したスマートフォンは、光学ズームで数倍程度の撮影ができるのに加え、デジタルズームでより遠くまでズームができるようになっていますが、光学ズームよりも画質が低下してしまいます。近年は、AIを使って画質を向上させている機種もあるものの、光学ズームの〝物理的な力〟にはかなわないといえます。

iPhone 15 Pro Maxでは、120mm相当の光学5倍ズームに対応することで、遠所の撮影に強くなったのが大きなアップデートポイント。メインカメラで焦点距離を3パターンから選べるのも併せて、より一層カメラの使い勝手が向上したといえます。

※データは2023年9月中旬時点での編集部調べ。
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文/佐藤文彦