毎年9月ごろに開催されるアップルのイベントでは、iPhoneの最新モデルが発表されるのが通例。2023年は「iPhone 15」シリーズが登場しました。
最新iPhoneも気になるところではありますが、円安などの影響もあって、高性能なスマートフォンの販売価格は高くなってしまいがち。FPSゲームといったハードの性能が要求されるアプリを多用する……そんなヘビーユースをしない人にとっては、パワフルな最新モデルではなく、廉価モデルの「iPhone SE」シリーズの新型を待っているという人もいるのではないでしょうか。
そこで、新型のiPhone SEについて、発売のタイミングやデザイン、性能について確認してみましょう。
目次
新型「iPhone SE(第4世代)」はいつごろ発売される?
まずはiPhone SE(第4世代)の発売時期を推測するため、歴代のiPhone SEシリーズの発売時期を振り返ってみましょう。
iPhone SE
2016年3月
iPhone SE(第2世代)
2020年4月
iPhone SE(第3世代)
2022年3月
歴代iPhone SEシリーズを見ると、発売月は3月~4月。つまり、春ごろに新モデルが発売されていることがわかります。iPhone 15など、ナンバリングされる最新のiPhoneは毎年9月ごろに発売されるので、半年くらい時期がずれます。
注目するべきは、発売年の間隔です。初代iPhone SEからiPhone SE(第2世代)は4年、iPhone SE(第2世代)からiPhone SE(第3世代)は2年の間隔をあけて発売されています。
現時点で、iPhone SEは第3世代までしか発売されていないため、統計というにはサンプルが少ないとはいえ、iPhone SEシリーズの人気や標準シリーズの価格高騰といった要素から、iPhone SEの新モデルは、2020年のiPhone SE(第2世代)から2年周期になるのではないか、と推測します。新型のiPhone SE(第4世代)は、2024年春ごろに発売される可能性があるのではないでしょうか。
もちろん、2025年以降に新型iPhone SEが登場する可能性もあります。アメリカでは2019年、日本では2020年から5G通信サービスが開始されていますが、iPhone SE(第2世代)は5G通信に非対応。廉価モデルでも、5G通信に早急に対応するべく、2年間隔でiPhone SE(第3世代)が登場したという見方もできるでしょう。
執筆時点で、iPhone SE(第4世代)がいつ発売されると断言することはできないものの、2024年、2025年いずれかの春ごろに登場すると考えられるでしょう。
新型iPhone SE(第4世代)はどんなデザインになる?
iPhone SEシリーズは、標準シリーズとして登場した過去モデルのボディデザインを踏襲することで、販売価格を抑えているシリーズ。第2世代、第3世代ではiPhone 8のデザインを継承していますが、ホームボタンと分厚いベゼルを採用したデザインは少々古臭くもあります。iPhone 8は現時点でも6年前(2017年)に発売されたこともあり、そろそろiPhone SEの新モデルでも、デザインの刷新に期待したいところ。
iPhone SE(第3世代)
iPhone SEが第4世代でデザインが刷新されるとして、ベースとなる標準モデルはどれになるのでしょうか。候補としてまず考えられるのは、iPhone 12 mini、iPhone 13 miniの2モデルでしょう。
iPhone SEシリーズは、標準モデルよりもコンパクトで扱いやすいというのが1つのコンセプトにあります。近年はスマーフォンのディスプレイサイズが大型化している傾向があり、iPhone 14シリーズを見ると、iPhone 14、iPhone 14 Proが6.1インチ、iPhone 14 Plus、iPhone 14 Pro Maxが6.7インチと、いずれも6インチ台。5.4インチディスプレイを搭載した、miniモデルをベースとする可能性は大いにあります。
iPhone 13とiPhone 13 mini
とはいえ、スマートフォンのディスプレイサイズが大型化してきているのには、「スマートフォンで楽しむコンテンツが豊富になってきている」「本体ベゼルを細くできるようになってきている」など、しっかりとした理由があります。miniシリーズの売れ行きがあまりよくなく、2年間で廃止となった……といううわさもあることから、近年の標準シリーズに搭載されている、6.1インチディスプレイが基本サイズとして採用される可能性もあるでしょう。
また、過去のiPhone SEシリーズのデザインを見ると、初代iPhone SEはiPhone 5S(2013年発売)、iPhone SE(第2世代)はiPhone 8のボディデザインを継承しており、第3世代を除くiPhone SEシリーズは、「登場の2年半前に発売された標準iPhoneシリーズ」のデザインが採用されていることがわかります。このことを踏まえて考えると、iPhone SE(第4世代)が2024年に発売されるのでればiPhone 13シリーズ、2025年に発売されるのであればiPhone 14シリーズのデザインが目安となるでしょう。
新型iPhone SEのスペックはどうなる? USB Type-C対応は既定路線か
さて、iPhone SE(第4世代)の登場を心待ちにしている人にとって、どの程度のスペックになるのかも気になるポイントでしょう。2023年9月に発売されるiPhone 15シリーズでは、USB Type-Cポートが搭載されており、次世代のiPhone SEでも、USB Type-Cに対応するはずです。
というのも、そもそもiPhoneシリーズのUSB Type-C対応は、EUで「USB Type-Cに非対応のデジタルデバイスは販売できなくなる」というルールが定められるのが、大きな要因です。販売価格やスペックに関わらず、USB Type-Cの搭載は、EUではほぼ〝義務〟となる状態なので、iPhone SEシリーズでもUSB Type-Cポートを搭載するでしょう。
そのほか、搭載されるチップセットも注目ポイント。iPhone SEは、廉価モデルながら、半年前に発売された標準モデルと同じチップセットを搭載することも人気の要因です。
iPhone SE(第4世代)でも、この流れは踏襲されると考えられますが、2022年に発売されたiPhone 14シリーズでは、iPhone 14とiPhone 14 PlusにA15 Bionic、iPhone 14 ProとiPhone 14 Pro MaxにA16 Bionicが搭載されており、iPhone 15シリーズでも、Proモデルに最新のチップセットである「A17 PRO」が、標準モデルに1年前のチップセットとなる「A16」が搭載されました。
チップセットの世代だけを見ると、最新の標準モデルよりも、iPhone SEのほうが新しいという逆転現象が起きてしまうため、廉価モデルのiPhone SEシリーズで、Proシリーズと同じチップセットを搭載するとは考えにくいでしょう。新型のiPhone SE(第4世代)では、2024年春に発売される場合は、iPhone 15シリーズの標準モデルと同じく、A16が搭載されると考えるのが妥当といえます。
※データは2023年9月上旬時点での編集部調べ。
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文/佐藤文彦