【短期集中連載 Vol.5】 カジノ&ギャンブル カジノゲーミンクの中のアレコレ『海外ではチーム戦、日本人プレーヤーは個人戦を好む?』
ナマステ。カジノライターのかじのみみです。カジノプレーヤーは世界に多数存在します。何度も施設を訪れるプレーヤーには何か「プレースタイル」の傾向があるのでしょうか?見てみましょう。シリーズ⑤のタイトルは、『海外ではチーム戦、日本人プレーヤーは個人戦を好む?』です。
カジノプレーヤーのプレースタイルはさまざま
欧米や中国は「チーム戦」、日本人は「個人戦」がお好み?
「カジノは世界140か国以上にある」。
国内の公の場でこう言われるようになってから約 10 年の年月が流れた。
1980年代、カジノを誘致している国は80か国程度であった。もし、世界のカジノが定説通り140か国で導入されているのであれば、この40年ほどの間でカジノを誘致した国は60か国増えたことになる。
国内のカジノプレーヤーも、ポーカーブームに合わさり急ピッチで増加中のようだ。個々のプレーに関しては、参加ゲームの違いもあり「千差万別」であるとは思うが、カジノをこよなく愛するプレーヤー(casino lover)の場合、心地よく思うプレースタイルは次のいずれかに傾いているだろう。
ひとり黙々と孤独にプレーを続ける「さすらいプレーヤー」か、パートナーや家族、友人を連れ添い、皆でワイワイと楽しむ「余暇プレーヤー」か、のどちらかである。
カジノの雰囲気や TPO(Time, Place, Occasion)を考慮して、プレースタイルはコロコロと変わるのかもしれない。だが、全体的な傾向としては、欧米や中国の人々は「チーム戦」を、日本の内国人プレーヤーは「個人戦」のスタイルがお好みではないだろうか。
海外では、大型バカラトーナメントやポーカートーナメントにはパートナーや家族、友人が共にイベントに参加し、自身が敗退した後はその他の勝ち進んでいる”チームメンバー”を応援することがポピュラーだ。
例えば、世界三大ポーカーイベントの一つ、WPTの「ファイナルテーブル」では、自分の応援者が強いハンドを得て大きなスタック(チップの山)を獲得すると、「Yeah!! Come on!」(イエイ! カモーン!)とひな壇のような観客席から大きな声援が飛ぶ。
だが自分のチームメンバーが奮闘するも、いよいよ他プレーヤーに追い込まれ、ゲームで敗退すると、チームはその仲間を暖かく迎え入れ、労い、肩をたたいたり抱き合ったりして健闘を称えるのである。
プロプレーヤーは、ひとりで旅をしている人も数多くいるだろう。だが、ひとり旅で勝負を続けることは恐らく容易ではない。
“Pic sourced from World Poker Tour Liechtenstein Event Album David Kozma Marc Sen”
海外では言葉の壁や文化の違いもあり、話し相手がいないと精神的に追い込まれてしまうこともある。だからこそ、一緒に旅をしてくれるキャラバン的な仲間がいる「チーム戦」が諸外国では好まれるのだろう。また、アジア諸国のバカラテーブルでは、ファミリーが1つのテーブルを占領している場面にも度々遭遇する。
「チーム戦」のよい面は敗退した後のダメージが少なく回復力が早いことだ。心を許した人たちが応援、労ってくれることで心強く感じ承認欲求も満たされる。また、仲間がいると旅も楽しい。マイナス面はゲームに集中できない、渡航費が嵩むことなどが挙げられる。
「大型ポーカートーナメント開催地の一つ アメリカ ハードロック・セミノール タンパ 2015 年撮影」
一方、日本のカジノを訪れる多くの内国人プレーヤーはどんな理由から「単独行動プレーヤー」となっているのだろう。主に下記の理由がありそうだ。
・家族やパートナーに容認されていない(隠れてやっている)
・仕事の後に、気分転換のため店舗を訪れるため
・リアルギャンブルのアングラにいく
・カジノやポーカーが趣味だと周囲に知られたくない
・お好みのハウスが小さく人を連れて行かれない、その他
日本のカジノやポーカー施設は、諸外国のカジノと比べると小さな店舗が多く、ゲーム用テーブルも2 台~10台程度の場所が多い。限られた中でテーブルを設置するので見学者やお連れさま用のスペースがなかなか確保できないのだと思われる。