経済産業省は2025年4月13日(日)から10月13日(月)まで開催予定の2025年日本国際博覧会(略称「大阪・関西万博」)に、“いのちと、いのちの、あいだに”をコンセプトにした日本政府館(日本館)を出展する。
先日、その建築着工に先立ち、夢洲(ゆめしま)の博覧会会場(大阪府大阪市此花区)で起工式を開催した。
工事の安全と成功を祈念して鍬入れの儀を実施
起工式では、中谷経済産業副大臣、豊田国土交通省副大臣、吉村大阪府知事、日本政府館の建築請負業者である清水建設の代表者らによる鍬入れが行われた。参加者は「エイ、エイ、エイ」の掛け声とともに日本政府館の工事の安全と成功を祈願した。
主催者挨拶:経済産業副大臣 中谷 真一氏
「経済産業省では、これまでもその時々の時勢に合わせ、日本政府館を出展して参りました。1970年の大阪万博では、日本という国を現在・過去・未来の多方面にわたって表現し、世界に向けて日本を発信、2005年の愛知万博では、地球が抱える課題を認識し、人と自然の繋がりを取り戻すことの大切さを発信しました。今回は、“いのちと、いのちの、あいだに“をテーマに、来場者自ら他の命との繋がりや循環の中で生かされている存在であることを意識し、持続可能性の問題を自分たちのこととして捉える機会を見つけ、行動変容を促すパビリオンを目指します。
基本構想、基本計画に基づき、建築においても“循環“を想起させる円環状のデザインで、内外の壁に使用しているCLTは、関係省庁の協力を得て、会期後に地方自治体や企業の皆様の建築に再利用していただく、展示においても子どもたちの社会教育の場として、子どもたちの参加、体験を重視していきたいと考えております」
祝辞:日本館総合プロデューサー 佐藤 オオキ氏
「“いのちと、いのちの、あいだに“をテーマとし、ありとあらゆるもの命や、何か役目を終えても次の役目に、次の命につながるそれが連鎖していくことにより大きな循環が生まれることを体感できるパビリオンであり、この循環を通じて、例えば日本ならではの自然観、死生観が、現代社会が抱えるさまざまな課題の解決のヒントとなり、日本人特有の美意識や季節の移ろいを改めて世界に発信するきっかけとしていきたい。
残り一年半ほど、これまで以上の緊張感を持って大小さまざまなアイデアを持ち寄りながら良い形で実現できればと思いますので、引き続きよろしくお願いします」
2025年日本国際博覧会(略称「大阪・関西万博」)概要
テーマ
いのち輝く未来社会のデザイン Designing Future Society for Our Lives
サブテーマ
Saving Lives(いのちを救う)
Empowering Lives(いのちに力を与える)
Connecting Lives(いのちをつなぐ)
コンセプト
People’s Living Lab(未来社会の実験場)
概要
開催期間/2025年4月13日(日)~10月13日(月) 184日間
会場/夢洲(ゆめしま) 大阪市臨海部
2025年日本国際博覧会 日本政府館について
日本館のテーマ
「いのちと、いのちの、あいだに -Between Lives-」
日本館のテーマコンセプト
(リリースより転載)
人間だけではありません。すべての動物や植物は、あらゆるモノは、そして社会でさえも、ひとつの役目を終える瞬間に何かが受け継がれ、カタチを変えながら新たな役目を獲得する、というつながりの中に存在します。そんな「いのちといのちのあいだ」に目を向けてみると、この世界は無数の「小さな循環」によって成り立っていることに気づくはずです。
これからの豊かさとは、すべてのいのちに敬意を払いながらその意味や価値を見つめ、大きなつながりの一部となることで生まれるはず。そしてそれは、この国に息づいてきた自然観や美意識に他なりません。「いのちと、いのちの、あいだに」はじまりもおわりも存在しないひとつの循環の中で、あなたは何を感じ、何を考え、何を受け継ぐでしょうか。
日本館総合プロデューサー/デザイナー 佐藤オオキ
1977年カナダ生まれ。2000年早稲田大学理工学部建築学科首席卒業。2002年早稲田大学大学院修了後、デザインオフィスnendo設立。東京とミラノに拠点を構え、建築・プロダクトデザイン・ブランディングなど多岐に渡ってデザインを手掛け、イタリア・フランス・イギリスでのデザイナーオブザイヤーなど、世界的なデザイン賞を多数受賞。TOKYO2020の聖火台デザインを担当した他、現在はパリ五輪開催の2024年に向けてフランス高速鉄道TGV新型車両のデザインに取り組む。
(C)画像提供/経済産業省
関連情報
https://www.expo2025.or.jp
構成/清水眞希