MS&ADインシュアランス グループ ホールディングスとMS&ADインターリスク総研は、2023年4月に無償公開を開始した「将来洪水ハザードマップ」の対象範囲を、一部エリアから全世界に拡大した。
洪水ハザードマップがこれまでなかった地域に事業展開する企業や、将来の洪水リスクをグローバルに把握したい企業が本ハザードマップを活用することで、現在および将来における洪水リスクの全体像を把握することができる。
また、企業向けコンサルティングサービス(有償)においては、日本の洪水ハザードマップの解像度を、従来の9倍(90m四方から30m四方)に高解像度化した。これにより、さらに詳細な洪水リスクの分析が可能となる。
気候変動リスクの把握に役立つマップの一般提供
本ハザードマップは、東京大学、芝浦工業大学と共同で立ち上げた「LaRC-Floodプロジェクト※1」の研究成果をもとに開発し、2023年4月からアジア等の一部地域を対象に一般へ無償公開を開始。
公開して以降、多くの反響があり、あわせてマップの対象地域を拡大して欲しいという要望に応えるため、対象地域を全世界に拡大した。
※1:Large-scale Risk assessment of Climate change for Floodの略。ラルクフラッドプロジェクト。東京大学生産技術研究所 山崎研究室、芝浦工業大学 工学部土木工学科 平林研究室、MS&ADインシュアランス グループ ホールディングス、MS&ADインターリスク総研の四者で「気候変動による洪水リスクの大規模評価」を行うことを目的に、2018年に立ち上げたプロジェクトです。(2018/5/18 MS&AD、東京大学と芝浦工業大学との気候変動研究プロジェクトを開始~気候変動による洪水リスクへの影響をグローバルに評価~)
またMS&ADインターリスク総研は、拠点周辺のより詳細な情報が必要なユーザー向けに、一般公開用よりも仕様を高度化した将来洪水ハザードマップを活用して企業向けコンサルティングサービスを、2023年4月から提供している。
今般、本サービスで使用するハザードマップにおける日本域の解像度を90m四方から30m四方に高解像度化し、将来の洪水浸水深の変化や洪水による被害額等の算出など、気候変動が顕在化した場合の物理的リスクの把握を支援していくという。
※2:ssp5-8.5:現時点以上の気候政策が導入されないシナリオ(4℃上昇シナリオ)
※3:ssp1-2.6:持続可能な発展に向けて気候政策を導入するシナリオ(2℃上昇未満に抑えるシナリオ)
関連情報
https://www.irric.co.jp/risksolution/sustainability/prediction_map/index.php
構成/Ara