DIME MAGAZINE
性別・年代別ごとの人気ジャンルとタイトル
上の図は2023年1月～6月の購買実績から購買冊数が多い上位10ジャンルを年代別に調査した結果である。表出ジャンル数を見ると、女性は「13」男性は「12」と、ジャンル数に大きな差はみられない。
女性のみに表出したジャンルは「ライトノベル」「女性誌」「ボーイズラブ」「趣味」、男性のみに表出したジャンルは「経済・ビジネス」「スポーツ」「社会・時事・政治・行政」。
男性・女性とも1位は「文庫」。女性は次いで「教育・語学・学習」や「家庭・生活誌」、「暮らし・実用」が安定して人気を得ている。男性は「新書・選書・ブックレット」や「経済・ビジネス」、そして女性同様に「教育・語学・学習」が安定して上位にみられた。
「コミック」は女性・男性ともに60代は2位に位置するが、70代以上は10位以下と需要は高くないようだ。反対に年代があがるほど需要が高まるジャンルは、女性・男性ともに「総合誌・文芸誌」ということがわかった。
60代
「文庫」は女性・男性ともに東野圭吾さんの『クスノキの番人』が人気。「コミック」は、女性は萩尾望都さん『ポーの一族』シリーズの最新刊『青のパンドラ』、男性はかわぐちかいじさん『空母いぶき』シリーズの最新刊『空母いぶき GREAT GAME』が最も購買されていた。『空母いぶき』シリーズは2014年から、『ポーの一族』は1972年から続く人気シリーズだ。
女性の「暮らし・実用」では同年代の作家・林真理子さんの『成熟スイッチ』が人気。また、病気にかかるリスクが高まる年代ということもあってか『薬に頼らず血圧を下げる方法 1日5分 文庫版』も読まれていた。
70代
「文庫」ジャンルでは、女性は『クスノキの番人』に次いで浅田次郎さんの時代小説『流人道中記』が購買されていた。男性は、上位3タイトルすべてが時代小説で、佐伯泰英さんの『空也十番勝負』シリーズが人気。
6タイトル中5タイトルが時代小説という70代。テレビでの時代劇最盛期は1980年代頃の向きがあり、70代の人が30代の時に時代劇が盛り上がっていたと考えるとエンタメコンテンツとして需要が高いことが予想される。
80代
1人当たりの購買冊数が少なくなってくる80代。「人生100年時代」と耳にする機会もあり100歳が現実味を帯びてきそうな年齢だ。注目は、女性「暮らし・実用」。
1位は『102歳、一人暮らし。哲代おばあちゃんの心も体もさびない生き方』。本書は広島で畑仕事などをしながらひとり暮らしをしているという102歳（現在は103歳）の石井哲代さんの本だ。
80代の読者には、紹介されている哲代さんの日常や考え方はどのように響いているのだろうか。「総合誌・文芸誌」の『文藝春秋 2023年 03月号』は第168回芥川賞受賞作が掲載された号である。
調査概要
調査方法：hontoサイトと、hontoサービス実施店の丸善、ジュンク堂書店、文教堂などで購入された書籍や電子書籍の販売データをもとに購買冊数を集計。
調査データ期間：2019年1月1日～2023年6月30日
※ジャンル、タイトル名について：hontoの保有情報に準じている。
※ハイブリッド型総合書店honto調べ
関連情報
https://honto.jp/
構成／Ara
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