環境省の調査によると、日本の花粉症患者の約7割はスギ花粉が原因で、国民の3人に1人はスギ花粉症だとされています。身の回りを見渡してみても、毎年春先になると辛いくしゃみや鼻水、目のかゆみに悩まされているという人は珍しくありません。
そんなスギ花粉症にお悩みの方は、秋からでもはじめられるアレルギー対策「舌下免疫療法」をチェックしてみてはいかがでしょうか?
2023年現在、日本人に多い「スギ花粉症」と通年問題になる「ダニアレルギー性鼻炎」を唯一根本的に治すことができるといわれる治療法です。
スギ花粉アレルギーの治療ができる「舌下免疫療法」とは
「舌下免疫療法(ぜっかめんえきりょうほう)」は、特定のアレルギー疾患を治療するためのアレルゲン免疫療法の一種です。
アレルゲン免疫療法とは、アレルギーの原因であるアレルゲンを少量ずつ投与していくことで免疫寛容(※)を促す治療法のことです。長期的なアレルギー症状の緩和や根本的な体質改善が期待できます。
舌下免疫療法は1日1回、舌の下にアレルゲン物質を含む錠剤を置いた状態で1分間待った後、飲み込むという方法で行われます。
注射によって投薬する皮下免疫療法に比べると取り入れやすく、自宅で服用できるため継続しやすいことなどを理由に近年注目を集めています。
※特定の物質に対して免疫システムが働かず、免疫反応が起きなくなった状態
舌下免疫療法を行うことでアレルギー症状の大幅な緩和や体質改善が期待できますが、全ての人に効果が現れるわけではないことには注意しましょう。治療経験者のうちアレルギーによる症状が大幅に改善する人が8割程度で、なかには体質改善が叶い、薬の継続が不要になる人もいます。
一方で、舌下免疫療法を行っても効果がみられないという人も1~2割程度存在するといわれます。