『TBD』という略語を書類やメールで見かけたことはありませんか?これは特定の名称を指すわけではなく、英単語の頭文字を取ったものです。ビジネスシーンや日常でよく使われるこの用語の意味と使用シーンについて解説します。
TBDとは?
『TBD』とは、ビジネスシーンやメールなど、さまざまな場面における連絡に使われる用語の一つです。まずは『TBD』の意味と、『TBD』によく似た用語について確認しましょう。
TBDの意味
『TBD』とは『to be determined』が省略されたものです。determinedは『決定する(determine)』という単語の過去分詞形で、『TBD』は未定・未確定という意味になります。
『to be+過去分詞』は『今後~される』といった意味で使われる表現です。そのため『TBD』は、まだはっきりしないが、今後確定する予定だというニュアンスを含んでいます。
例えば会議の開催は決定しているが、詳しいスケジュールが決まっていない場合は、『ミーティングの日程:TBD』のように記載されます。
また、文脈によって 「To Be Decided」(要決定/未決定)、「To Be Done」(要完了/未完了)、「To Be Discussed」(要検討/未検討)、「To Be Defined」(要定義/未定義)、To Be Declared」(要宣言/未宣言)、「To Be Deleted」(要削除/未削除)、「To Be Developed」(要開発/未開発)、 「To Be Detailed」(詳細は改めて)などの略とする場合があります。
TBDに似たTBA・TBCの意味
『TBD』『TBA』『TBC』はよく似ているため、字面だけで覚えようとすると混乱しがちです。意味を取り違えないように、意味や使い方を正しく理解しておきましょう。
TBAの意味
『TBA』とは『to be announced』が省略されたものです。announcedは『知らせる(announce)』という単語の過去分詞なので、『TBA』は『追って通知する』『後日発表』といった意味になります。
『TBA』が使用されるのは、開催は決まっているものの詳細が決まっていない場合や、決まっているが公式にはまだ発表しないケースです。
例えばイベントで出演者が全員確定していない場合は『出演アーティスト:TBA』、開催場所が確定していない場合は『会場:TBA』のように記載されます。
TBCの意味
『TBC』は『to be confirmed』が省略されたものです。confirmedは『確認する(confirm)』という単語の過去分詞なので、『TBC』は『確認を要する』『確認中である』といった意味になります。
『TBC』が使用されるのは、情報が正確であるかどうか調べるべきケースや、すでに決定しているが変更する可能性があるケースです。
例えば支払い方法がある程度決まっているが、最終確認が必要な場合に『支払い方法:TBC』のように記載されます。
ビジネスシーンで使われる略語
用語の意味を知らないと、場合によっては重大なミスにつながりかねません。ビジネスシーンでよく使われる、『FYI』『RSVP』『ASAP』『N/A』という四つの用語を紹介します。
FYI
『FYI』とは『for your information』の略語です。直訳すれば『あなたの情報として』ですが、『ご参考までに』といった意味で使われます。
『FYI』が使われるのは、主にメールでの連絡です。情報を共有すべきメンバーに向けたメールや、転送メールのタイトルの冒頭に記載されます。
『for your information』全体では20回もキーを打たなければいけないところ、F・Y・Iの3文字で済むため、なるべくタスクの時短を図りたいビジネスシーンにはうってつけです。
ただ、外資系企業でなくても使われるとはいえ、相手が知らなければかえって時間を取らせてしまいます。上司や社外の相手に送る場合は、『ご参考までに』を使用した方が無難でしょう。
RSVP
『RSVP』はフランス語の『répondez s’il vous plaît』の省略です。répondezは『返事』という意味で、s’il vous plaîtは英語の『please』、つまり『お返事をお待ちしております』という意味になります。
ビジネスシーンで返信を相手に求める場合や、結婚式やパーティーなど早めに出欠確認をしたい場合に使われる言葉です。
返信に期限を設けたい場合は、『RSVP by September 13th, 2023』『RSVP by the end of September』のように指定します。
ASAP
『ASAP』とは、『as soon as possible』の省略です。『as ~ as possible』は中学・高校で学ぶ定番のフレーズであるため、知っている人も多いのではないでしょうか。
意味は『可能な限り早く』となります。認知度が高い分、『ASAPでお願いします』のように、文章だけではなく口頭で使われているシーンを目にする機会もあるかもしれません。
ただし、ASAPは比較的カジュアルなシーンで使われる言葉です。目上の人や上司、社外の人には『as soon as possible』と、省略せずに記載することをおすすめします。
N/A
『N/A』とは、『not applicable』もしくは『not available』の省略です。applicableは『該当する』、availableは『利用可能である』という意味の単語で、それらに「not」がつくことで『N/A』は『なし』という意味になります。
厳密にいえば、not applicableは『該当なし』という意味です。例えば書類において当てはまらない部分がある場合には、記入漏れではないことを明らかにするために『N/A』と記載しておくと親切です。
not availableは、提供する側が『ただいま利用不可です』と伝える場合に使われます。商品在庫一覧や、サービス項目のリストなどで見かけるケースが多いでしょう。
構成/編集部