三車三様のシートレイアウト
パッケージング、シートレイアウトは三車三様だ。ミニバンの特等席となる2列目席を見ると、ステップワゴンはベンチ、キャプテンシートが選べ、キャプテンシートでもこの6代目はステップワゴン初の中寄せスライド機構を採用。つまり、7人乗りの2列目キャプテンシートを選んでも、2列目席をベンチシート化できるのである。子供のおむつ替えや大型犬の乗車では使いやすいシートアレンジ性と言っていい。
ノア&ヴォクシーはじつはステップワゴンの逆だ。そう、先代まで中寄せロングスライドが可能だったキャプテンシートの中寄せ機構を廃止し、中寄せすることなくスライドできるストレート超ロングスライドを実現。メリットは左右のキャプテンシートが離れたプライベート感ある着座のままロングスライドができるようになったこと(先代をロングスライドさせるには左右のキャプテンシートをくっつける必要があった)。ただ、ベンチシート仕様はあるものの、購入時にキャプテンシートを選んでしまうと、2列目席中寄せベンチシートアレンジはできなくなってしまったということだ。
セレナは最上級グレードのルキシオンを除き、セレナ独自の1~2列目席間をスルスルと移動できる、新型ではe-POWERモデルでも付いたスマートマルチセンターシートによって全車8人乗り(2/3/3人)を実現。スマートマルチセンターシートをセンターコンソールとして1列目席部分で使えば2列目席はキャプテンタイプのシートとなり、またスマートマルチセンターシートを2列目キャプテンシートの間にセットすれば3人掛けが可能なベンチシートとして利用できるというわけだ。注目点はキャプテンシートをベンチシート化したときのシート幅で、ステップワゴンの1030mmに対してセレナはスマートマルチセンターシート分の幅が加わり1230mmと横幅たっぷり。キャプテンシート本体の豪華さ、機能、居心地、見映えという点ではノア&ヴォクシー、ステップワゴンが大きく上回るものの、普段はキャプテンシートでゆったり4人乗車、しかし最大8人乗ることもある・・・というならセレナのシートレイアウトが優位になるかも知れない(フロアのレール数が多いのが難点だが)。
乗り降りのしやすさは?
スライドドア部分の乗降性にかかわるフロア地上高はステップワゴンが390mm、ノア&ヴォクシーが380mmでともにワンステップフロアとなる。一方、セレナは先代以前からそうであるように2ステップフロアで1段目の390mmはともかく、フロアはそこから95mm高い485mmの高さに位置。階段を1段上がるようなツーステップフロアとなる。注目点はノア&ヴォクシーで、そもそも2列目席部分のフロアが380mmともっとも低いことに加え、オプションのからくり機構(非電動)によるユニバーサルステップを用意。スライドドアの開閉に連動し、地上200mmの高さから足をかけられ(奥行は180mm)、乗降を助けてくれるのだ。従来の電動オートステップは他社を含め約20万円もするオプションだったものが、このパワーを使わないからくり機構によるユニバーサルステップは3万3000円(税込み)で装備できるのだから、必要であれば追加注文しやすいではないか。