2023年現在、様々なアニメやアーティストがトレンドを賑わせている。その中で、どれだけ多くの生活者に接触できるかを示す「リーチ力」と、コアファンによる支出を呼び込む「支出喚起力」が優れたコンテンツは、それぞれ何なのだろうか?
博報堂DYホールディングス、博報堂、博報堂DYメディアパートナーズの共同研究プロジェクト「コンテンツビジネスラボ」はこのほど、「コンテンツファン消費行動調査2023」を実施し、そのデータをもとにした、アニメや音楽など全11カテゴリ・計1200以上のコンテンツに関する、「リーチ力・支出喚起力※ランキング」を発表した。
コンテンツへの支出がコロナ禍以降で最高に。リアルイベントやレジャーが伸長
生活者のコンテンツへの年間平均支出額は前年調査から7,874円増加し68,527円で、コロナ禍以降最も高くなった。
カテゴリ別で分析すると(図2)、2022年調査ではリアルイベントやレジャー、ファンクラブ市場でコロナ禍による落ち込みから回復の兆し、いわゆるリベンジ消費が見られたが、2023年調査ではリアルイベント市場は前年からさらに大きく伸び、コロナ禍前の規模に迫っている。また、レジャー市場やファンクラブ市場も前年から拡大が続いている。
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、音楽ライブやスポーツの試合などリアルイベントでは会場の収容人数や声出しに制限があったが、2022年半ばから徐々に緩和され、今年にかけては条件付きながら声を出してアーティストやアスリートを応援することができる「声出し解禁」が進んだ。
音楽のライブ・コンサートの推定市場規模は前年から53%増加(+602億円)、野球の生観戦は67%増加(+183億円)など、リアルの場に熱気が戻った結果、リアルイベントそのものへの支出が増え、ファンクラブやグッズなどへの支出も増加したとみられる。