秋冬の小売需要傾向
同社は、今シーズンと類似していると予想する2019〜2020年の東京の気温傾向、体感報告、検索トレンドを分析。2023〜2024年の秋冬の小売需要傾向を予想した。
<2019年秋の体感振り返り>
今シーズンと類似する2019年秋(9〜11月)の体感報告を振り返ると、全般的に平年より気温が高かった影響で、10月上旬までは「暑い(紫色:ムシッと暑い、桃色:カラッと暑い)」の報告が続いていたが、10月中旬に寒気が流入。「暑い」から「肌寒い(水色)」に体感が変化しました。このタイミングで肌寒くなり秋の訪れを感じる人が多くなったと思われる。
10月下旬からは本州付近に暖かい空気が入りやすく、11月も平年よりは気温が高かったものの、段々と気温が下がったことで「寒い(青色)」の体感に変わっていった。
その後、11月末に寒気が流入したことで急激に気温が下がり、ほとんどの人が「寒い」と感じるようになる。この結果から、2019年は11月に入ってから多くの人が秋の深まりを感じていたと分析できる。
<2019〜2020年冬の体感振り返り>
2019年〜2020年の冬(12〜2月)は、冬型の気圧配置が続かず、全国的に寒気の流入が弱かったことで、全般的に平年より気温は高くなった。体感は例年通り「寒い」が多くを占めたが、気温が高かった影響で「極寒(黒)」の割合は少なくなった。
<2019〜2020年秋冬の検索トレンド>
この年の秋冬商品のGoogle検索数を振り返ると、「防寒インナー」は11月に入ってから検索数が大幅に増えている。「電気毛布」は、同じく11月から検索数の伸びが顕著となり、「寒い」体感が増えた11月下旬ごろに検索ピークを迎えた。
また、「ハンドクリーム」や「カイロ」といった日用品や、「鍋」の検索トレンドを見ると、どちらも電化製品ほどの顕著なピークは見られなかったが、11月から検索数が伸び始め、12月がピークとなった。
<今シーズンの予想>
今年の秋(9〜11月)は、期間を通して平年より気温が高く、寒さを感じるのは秋後半になってからとなりそうだ。このため冬物衣料や電化製品など、季節の買い替えや買い足しが見込まれる商品は、例年よりも動き出しが遅く、11月以降に需要が高まる見込み。
また、秋冬の日用品や食品は、11月から伸び始めて12月にピークを迎える予想だ。また、平年と比べて厳しい寒さとならないことで、需要ピークが例年よりも早く終わる可能性が考えられる。
関連情報
https://jp.weathernews.com/news/44651/
構成/清水眞希