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乗ってわかった日産「セレナe-POWER ハイウェイスター/ルキシオン」の買い得度

2023.09.14

プロパイロット2.0を標準装備

ルキシオンに標準装備されるプロパイロット2.0は高精度地図データと360度周囲センシングによる同一車線内のハンズオフが可能で、前方車の速度に応じて、システムが追い越しを提案し、ハンドルに手を添えスイッチを押すだけで車線変更を支援してくれるなど、極めて高精度な走行を行う。そのため、車両の操縦性、動的レスポンス、安定感もハイレベルなものが要求され、同じ16インチサイズながらルキシオン専用タイヤ(より応答性に優れたスポーティと言っていいタイプ)が奢られるのだ。そのハイレベルな走行性能が新型セレナの基本となり、プロパイロット1.0を用意するe-POWERハイウェイスターにも惜しみなく備わっていることになる。

ところで、新型セレナはアウトドアや車中泊、災害時の避難場所としても適するシートのフラットアレンジにおいて、クラスベストであると断言したい。その理由のひとつがセレナだけのスマートマルチセンターシートにある。ノア&ヴォクシーやステップワゴンの2列目席は、購入時にキャプテンシートまたはベンチシートを選ぶ必要があり、もしキャプテンシートを選択したとすれば、横スライド機構を廃止したノア&ヴォクシーの場合は2/3列目席フラットアレンジ時の2列目席左右部分に隙間ができてしまい、2人の就寝には大きな影響がないものの、車内をお座敷化する際のデメリットになる。また、ステップワゴンのキャプテンシートは6代目となって初めて中寄スライド機構を採用し、ベンチシート化が可能なものの、2列目キャプテンシート2座をくっつけただけのシート幅は新型セレナのスマートマルチセンターシート使用時の1260mmに対して1030mmと狭くなってしまうのだ。

さらに、2/3列目席フラット化では、新型セレナはもっとフラットかつ隙間なくアレンジでき、その全長は2150mmとクラス最大(ノア&ヴォクシー2080mm、ステップワゴン2040mm)。長身の人でも足を真っすぐに伸ばして横になることができ、さらにマットレスなどを敷かなくても快適に真横になれるベッドに変身させられるのである!!

一方、16インチホイールのデザインが専用化され、インテリアと装備も一段と豪華になる最上級グレードのルキシオン(479万8200円!!)の走行性能はといえば、動力性能のゆとりはe-POWERモデル同様ながら、操縦性は僅かだが、ステアリング応答性のさらなる良さが認められる。ただし、プロパイロット2.0に対応した専用タイヤによる乗り心地はやや硬めになり、車内へのロードノイズの侵入も僅かとはいえ高まる。

個人的には、先進運転支援機能を極めたハンズオフドライブまで求めないのであれば、購入時の税額でも有利なハイブリッドのe-POWERハイウェイスターで十二分に新型セレナの魅力、商品性の高さを味わえると思える。推奨グレードはエアロ系エクステリアデザインを持ち、装備も充実して新型らしさを120%味わえるWLTCモード燃費19.3km/Lのe-POWERハイウェイスターV(368万6100円/防水シート仕様は373万0100円)である。AC100V/1500Wコンセントを備えれば、電源付きのマイルーム、ベッドルームとしても活用でき、アウトドア、車中泊、災害時に大活躍してくれること必至である。

文/青山尚暉
写真/日産・青山尚暉

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