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元日本代表ヘッドコーチのエディー・ジョーンズと日本リーグ得点王に聞く、W杯でラグビー日本代表が勝つために必要なもの

2023.09.11

9月8日から始まった「ラグビーワールドカップ2023 フランス大会」。10月29日に行なわれる決勝までの間、白熱の戦いが繰り広げられる。2019年の前回大会では史上初のベスト8へ進出した日本代表の活躍を楽しみにしている人も多いだろう。

最初の関門となる「プール」(総当たりのグループステージ)には、ラグビー世界ランキングで日本を上回るイングランド、アルゼンチン、サモアという国々がひしめく中、どのような試合を見せてくれるのだろうか。

そこで今回、日本のラグビー界にとって非常にゆかりの深い2人に、日本代表〝ブレイブ・ブロッサムズ〟の注目ポイントなどについて聞いた。日本代表はもちろん、彼らの母国オーストラリア代表についても知ることで、ラグビーワールドカップ2023 フランス大会をより満喫してほしい。

日本代表の〝早くてオープンなスタイル〟に注目!
準々決勝以降は〝環境の変化〟への対応力が勝負の鍵

エディー・ジョーンズさん
1960年生まれ。ラグビーのニューサウスウェールズ州代表として活躍。1996年には日本の東海大学で監督を務め、日本代表のスタッフ(フォワードコーチ)も経験した。ラグビーワールドカップの2003年大会では母国オーストラリアの代表監督として準優勝に導く。2007年大会はアドバイザーとして南アフリカの優勝に貢献。2015年大会では日本代表のヘッドコーチを務めた。今大会は再びオーストラリア代表監督として望む。

――今大会に参加している全20か国のチームについて、どのような印象を持っていますか?

アルゼンチンや日本といったチームも着実に力をつけてきており、どの国も強い。これまでにない、すごい接戦が見込まれる大会になると思います。そういう意味では、すごく楽しみにしている人が多いのではないでしょうか。

――日本代表は、2015年、2019年と大健闘しました。今回はある意味でマークされる立場になっているかもしれません。しかも、2019年は日本がホスト国で慣れ親しんだ環境だったのに対して、今回は異国の地フランスです。空気も違うスタジアムの中で〝違った戦い方〟が求められるものでしょうか?

さほど期待が大きくなかった時とは異なり、マークをされる中で戦うのは「大変ね(←日本語で)」(笑)。けれど(日本代表が今までやってきたことを)やっていくしかありません。切り開いていかないといけない。

それと今大会では「プール」の試合が行なわれるステージ(会場)は温かく、オープン(な雰囲気)であり、早い(時間に)ゲームができて、スコアをいっぱい取れるのではないかと見ています。いいアタックができる環境が揃っているといえるでしょう。一方「クォーターファイナル(準々決勝)」まで行くと、ゲームの開始時間が遅くなることもあり、空気が重たいように感じ、下(会場の足元)は湿ったような印象。セットピース(止まったところから開始するプレー)がすごく大事になる。もちろん、アタッキングはしなければいけないけれど、セットピースとディフェンスをしっかりしていかないといけないでしょう。「難しいね(←日本語で)」。

2019年大会は「プール」の試合も「クォーターファイナル」以降も、ほぼ同じようなコンディションだった。今回の大会ではそれが変わり、対応するのが難しいところでしょう。

――ちなみに、2015年に日本代表を率いて礎を築いたエディーさんは、2019年大会における日本代表の躍進をどのように見ていたのでしょうか?

「いい質問ね(←日本語で)」。すごくプライドを感じながら(活躍を)見ていました。特に印象に残っているのは「プールA」の最終戦として行なわれたスコットランド戦。それまでの試合でも、日本はリードアップ(勝利への取り組み方)をすごくフォーカス(集中)してやっていたし、スコットランド戦のゲームにおいても、日本のフォーカスする姿勢は、すごくすばらしいものがあった。

ヘッドコーチ時代の私が一緒にプレーした福岡堅樹さん、松島幸太朗さん、そしてすごく〝侍精神〟を持っているリーチ・マイケルを含め、彼ら日本代表のプレイスタイルは、自由だったし、勇気もあったし、見ていて非常に、非常に楽しかった。

――今大会でエディーさんは、オーストラリア代表の監督を務めています。もし「クォーターファイナル」以降に日本代表と当たったら、どのように戦いますか?

日本は非常に早くてオープンなプレースタイルを持っている。そこで我々(オーストラリア代表)が目指すのは、相手の強さを自分たちのアドバンテージに変えること。日本代表のスピードに対してオーストラリア代表はパワーで対抗し、ゲームの早い段階で〝進み具合をセットすること〟が、すごい鍵になると思います。

日本代表はすごく強くなりましたけど〝自信を持つ〟という点では正直、まだ欠けているように思います。彼らがうまくプレーをするのを防ぐために、まずはゲームの立ち上がりの段階で、オーストラリア代表が勢いを持つようにすることですね。

――ちなみに今大会でエディーさんが率いるオーストラリア代表のチームについて、日本人の方々に注目してもらいたい点はありますか?

オーストラリア代表は、ここのところあまり強くはありませんでした。すごくチャレンジが多いチームなんですけれども(代表メンバーには)オーストラリア代表らしいラグビーで戦ってほしい。 皆さんもご存じかもしれませんが(オーストラリア代表は)アタックが強くてアグレッシブ。そのような〝フレーバー〟(特徴)を生かせるような試合をしていきたい。

――2019年の大会前、南アフリカが優勝すると考えた人は、そこまで多くなかったと思います。現在のオーストラリア代表も今大会で優勝すると考えている人は、正直多くはありません。そこには共通点みたいなものがあって、エディーさんが何かヒントを得ているものはありますか?

2019年大会の南アフリカ代表は、今のオーストラリア代表と同じように、そんなに強いチームではなく、勝率は40%ともいわれていました。そんな南アフリカ代表のチームは何が変わったのかといえば、新たに入ってきたコーチがプレースタイルを全部変え、もともと同代表のストロングポイントだったディフェンスに着目し、強くして~強くして~強くした結果、チームが実に強くなった。オーストラリア代表も同じようなことを目指し、これまで取り組んできました。代表チームが負ける時というのは、得てして、自分たちの持っているストロングポイントを失ったことに起因することが多いですからね。

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