長期間同じ冷蔵庫を使用していると、モデルによっては冷凍室に霜が付いてしまうことがありますが、霜取り作業を行う際には、やってはいけないNG行為があるのをご存じでしょうか。
本記事では、冷凍室、冷凍庫の霜取り作業を行う適切な方法や、気を付けるべきポイントについて紹介していきます。
そもそも冷凍庫の霜取り作業は必要?
冷蔵庫、冷凍庫の運転中に、冷却器に霜が付くと、冷却力が低下してしまいます。結果として、消費電力が増え、電気代が上がってしまうこともあるので、冷凍庫に霜が付いている場合は、自分で掃除をするのがおすすめです。
冷凍庫の霜取り作業が不要なモデルもある?
実は冷却器に付着する霜は、冷蔵庫の冷蔵方式によって、対処方法が異なります。
内容積が100リットル以上の大容量冷蔵庫の多くは、「冷気強制循環方式」を採用しています。近年発売されている、複数ドアを搭載した冷蔵庫のほとんどがこちらの方式といえます。
冷気強制循環方式では、運転時間と冷蔵庫の温度上層によって、内部の部品(冷却器)の霜取りを自動的に行います。また、冷蔵庫に学習機能が搭載されているモデルでは、ドアの開閉が少ない時間帯に霜取り作業が行われます。
一方、内容量が100リットル未満の小容量冷蔵庫の多くは、「直冷式」、「冷気自然対流式」というものを採用しています。冷蔵庫内上部に冷却器が搭載されており、冷たい空気を循環させて冷凍庫内を直接冷やす方式となっており、自動的に霜取りを行う機能は付いていないので、手動で霜取りを行う必要があります。
冷凍庫の霜取りを行う手順は?
冷凍庫の霜取りを行う際には、まず温度調節のつまみを「0」や「切」に合わせます。圧縮機の故障の原因になるので、一度つまみを回したら、数分間再度つまみを回さないように気を付けましょう。
その後、冷凍庫内にある食品や部品を取り出します。この際、冷蔵室のトビラは開けないようにしましょう。
しばらく時間を置き、冷凍室内の霜が自然に解凍されたら、たまっている水を拭き取ります。すべて拭き取れたら、温度調節のつまみをもとに戻します。
以上で、霜取りの作業は完了となります。どれくらい霜が付いているかによって、解凍の時間は左右されますが、ある程度時間に余裕を持って作業をするのがおすすめです。
冷凍庫の霜取り作業で行ってはいけないNG行為とは?
冷凍庫の霜取り作業をする際に、霜をはがすためにナイフやドライバーなど、金属製のものを使用するのはNGです。冷却パイプに穴が開いてしまうなど、故障の原因となります。ひどい場合には、冷媒が漏れ、発火や爆発の原因となりかねないので、工具を用いるのは避けましょう。
また、熱を与えるためにドライヤーなどを用いるのもNG。冷蔵庫が変形してしまい、従来通りの冷却性能が損なわれてしまう可能性があります。
工具や熱機器を用いて霜取り作業を行うと、重大な事故につながる危険性があるのに加え、メーカーの修理保証から外れることがあります。霜を取る作業は、基本的に自然解凍をするように心がけましょう。
【参照】日立/冷蔵庫内に付いた霜は取ったほうが良いですか?
【参照】シャープ/冷蔵庫 霜取りのりかた(冷凍室)
※データは2023年8月上旬時点での編集部調べ。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するものではありません。
※製品のご利用はあくまで自己責任にてお願いします。
文/佐藤文彦