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ニュースでよく聞く「外貨準備高」って何?

2023.10.11

ニュースなどで『外貨準備高』という言葉を耳にすることはあっても、その詳細は理解できていないという人もいるでしょう。そこで、意味や詳細、目的などについて紹介します。日本や各国の外貨準備高も確認しましょう。

外貨準備高とは?

普段ニュースを見たり新聞を読んだりする機会があまりない人の中には、『外貨準備高』という言葉自体を知らない人もいるのではないでしょうか?まずは、外貨準備高が何を指すのか、概要を紹介します。

国家が保有する外貨準備の残高

外貨準備高は、各国の政府や中央銀行が保有・管理している、外貨建て資産の残高のことです。外貨建ての資産とは、外国証券や外貨預金などが該当します。

主に輸入代金など、外貨建てでの外国に対する支払いに充てるために保有している資産です。また、外国為替市場が急激に変動した際に、市場へ介入し安定させるために用いられる資金でもあります。

外貨準備高の詳細は、財務省が毎月発表しているので、確認してみるといいでしょう。

日本における「外貨準備」の詳細や目的

日本銀行

(出典) pixta.jp

ざっくりとした概要が分かったら、次は日本における外貨準備の詳細を解説します。どのような目的があるのかという点も把握しましょう。

政府と日本銀行が保有する外貨建て資産

日本における外貨準備高は、財務省(外国為替資金特別会計)と日本銀行が保有している外貨建て資産の合計を指します。外貨建て資産を保有している民間の銀行や企業もありますが、それらの資産は含まれません。

円売りや外貨買いで得た外貨を資産、円を得るために発行した政府短期証券を負債として保有しています。

国が十分な外貨を保有することは、外国に対して資産を持っていることの証しとなり、国際的な信用につながります。信用を得ることで、貿易などのビジネスがスムーズに運びやすくなるのです。

外貨建て資産とは何を指す?

外貨建て資産とは、米ドル・豪ドル・ユーロなどの海外通貨(外貨)で価値が表される資産を指します。例えば、外貨による預金や外国の株式、債券などです。

外貨は『1ドル=130円』というように表示し、為替レートによって数値は変動します。例えば、1ドル100円のときに1kg10ドルの牛肉を輸入すると、1,000円かかります。円安が進み1ドル150円になると、1,500円です。しかし、外貨建てで10ドルを保有しており、そのドルで支払えば、500円を追加しなくても購入できます。

外貨準備をする目的

外貨準備には、複数の目的があります。まず挙げられるのは、輸入代金の決済や対外債務の返済です。さらに、緊急時の物資輸入の資金に充てるのも、目的の一つとして挙げられます。

例えば、何らかの突発的な事態が生じ、通常であれば経済取引に応じて入ってくるはずの外貨の流入がストップする可能性も考えられます。そのような場合に、国民の生活を維持する上で欠かせないエネルギーなどの輸入に用いるといった形です。

外国為替相場を安定させるための介入資金としても用いられます。例えば急激な円安・ドル高が起きた場合は、ドルを売って円を買い入れ、市場の安定を図ります。

外貨準備高が不足するとどうなる?

外国為替市場で自国通貨が大幅に下落するなど、急激に変動した際に外貨準備高が不足していると、為替介入ができません。すると、自国通貨の安定を図れず、経済危機に陥るリスクがあります。

また、対外債務の返済に充てる外貨が調達できず、危機につながる恐れもあるでしょう。実際のところ、1997年にはタイや韓国などを中心に『アジア通貨危機』が起きました。

近年でも、エジプト・トルコ・パキスタン・ガーナなど複数の国が、外貨準備不足によって通貨危機に直面する可能性があるといわれています。

国内・海外の外貨準備高について

外貨計算

(出典) pixta.jp

日本の外貨準備高は、実のところどの程度あるのでしょうか?数字だけ見ても、それが果たして多いのか少ないのか分かりづらいため、諸外国の外貨準備高も確認しましょう。

日本の外貨準備高

日本において2023年7月末時点の外貨準備高は、1兆2,536億7,300万ドルでした。その多くを占めているのが外国証券で、9,879億4,600万ドルに上ります。

2023年3月末の外貨準備高は、前年の3月末と比較すると、約990億ドル減少しています。これは、2022年の9~10月に為替介入が実施されたのが大きな要因です。通常、日本では円高を抑制するために円売り介入を実施するケースが多いため、円買い介入を実施したのは24年ぶりでした。

円安ドル高が急速に進んだ背景として、アメリカの中央銀行である連邦準備制度理事会(FRB)が、同国内の根強いインフレを抑制するために、急速な利上げを実施したことなどが挙げられます。

参考:外貨準備等の状況(令和5年7月末現在)|財務省

海外の外貨準備高

2022年に最も外貨準備高が多かったのは中国で、次に位置するのが日本です。上位10カ国を確認しましょう。

  • 中国:約3兆3,068億3,900万ドル
  • 日本:約1兆2,275億7,300万ドル
  • スイス:約9,236億2,700万ドル
  • アメリカ:約7,066億4,400万ドル
  • ロシア:約5,817億900万ドル
  • インド:約5,672億9,800万ドル
  • サウジアラビア:約4,782億3,100万ドル
  • 香港:約4,240億2,500万ドル
  • 韓国:約4,233億6,500万ドル
  • ブラジル:約3,246億7,300万ドル

毎年、増加傾向にあった外貨準備高ですが、2022年4~6月には、前期と比較して過去最大の減少率を記録しています。

参考:Total reserves (includes gold, current US$)|The World Bank

構成/編集部

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