Uber Eatsのような「特定の物品を運ぶオンラインサービス」で、処方箋医薬品を運べるようにできたら確かに便利だ。
が、だからといってUber Eatsに明日からその役目をやらせるわけにはいかない。
医師の書いた処方箋がなければ購入できないからだ。だからこその「処方箋医薬品」という呼称である。マクドナルドでダブルチーズバーガーを買うようにはいかない。
ところが、国は変わってインドネシアではバイクタクシー配車サービス『Gojek』が処方箋医薬品のデリバリーサービスを行っている。
それは違法ではないのか?
インドネシアの遠隔医療サービス『GoMed』と『Halodoc』
Gojekのサービスのひとつである『GoMed』は、一言で言えば「遠隔医療サービス」である。
病院にいる医師の診察を、自宅にいながら受けられるというもの。もちろん、オンライン診察では判別しづらい疾患もあるため、その場合はやはりGoMedを使って来院予約をする。
「GoMedを使って」というのは、実は正確な表現ではないかもしれない。なぜなら、この機能はGojekとはまた別のオンラインサービス『Halodoc』と連携しているからだ。
ここでは「GoMed=Halodoc」という認識でひとまず間違いはない。この両者が連携することにより、自宅に医薬品を配送するサービスが実現している。
Halodocを通じて電子化された処方箋を入手し、それを基に処方箋医薬品を薬局で調合してもらう。薬局は患者本人ではなく、Gojekのバイクタクシーに医薬品を託す。あとはバイクタクシーが患者の自宅に医薬品を配送するという仕組みだ。
もっとも、処方箋や医薬品の悪用を防ぐため、WhatsAppを使った相互連絡を行う必要もある。しかしそれを考慮しても、インドネシアの医療のDX化はここまで進んでいるのだ。