スマートフォンやPCを利用していると頻繁に目にする「PDF」という言葉。PDFは電子ファイル形式の一つだが、PDFという言葉が何の略称で、どんな意味を持つかまでを知っている人は少数派ではないだろうか。
そこで本記事では、PDFが何の略語なのか、言葉の持つ意味と特徴を解説する。名称にも色濃く表れているPDFの特徴を知ることで、より効果的にPDFを利用できるようになるはずだ。
PDFは何の略語?
PDFは「Portable Document Format(ポータブル・ドキュメント・フォーマット)」の略語だ。アメリカに本社を構えるAdobeが開発したファイル形式であり、2023年現在もさまざまな用途で使用されている。
それぞれの言葉の意味は以下の通り。
・Portable:携帯用の、持ち運びできる
・Document:文書、資料、記録
・Format:型、書式
これらを組み合わせた「Portable Document Format」は、「持ち運びのできる文書形式」といった意味合いとなる。PDFはその名の通り、携帯、共有のしやすさに優れ、新聞やパンフレットといった媒体から契約書や公的文書まで幅広く活用されている。
PDFの拡張子は「.pdf」となっており、ファイル名に「.pdf」がついていることがPDFファイルである目印となる。PDFを閲覧したい場合はAdobeが提供する「Adobe Acrobat Reader」などのPDFビューアーが便利だが、Google ChromeやMicrosoft Edgeといったウェブブラウザ上で開くことも可能だ。
PDFの特徴
次に、PDFの特徴を見ていこう。特徴を知ることで、他の電子ファイル形式とPDFの違いを把握できるはずだ。
データ上で利用できる紙のような形式
PDFの特徴としてまず挙げられるのは、限りなく紙に近い体裁でデータを表示できるという点だ。 PDFファイルは画面上でも印刷された紙と同じような体裁で表示される。印刷時もほとんど同じ見た目で出力されるため、印刷後のイメージがしやすい。
また、PDF上への書き込みや署名等も紙に書き込む感覚で行えるといったメリットもある。画質にも優れ、小さな端末でも鮮明に表示されるため、Web上で読まれる取扱説明書やカタログ等にも有用だ。
ファイルサイズが小さい
他のファイル形式よりファイルサイズが小さいこともPDFファイルの特徴の一つ。加えて、Adobeが提供している圧縮ツールを使えば、手軽にファイルの圧縮ができる。 そのため、メールなどで相手にファイルを共有する際に活用されることも多い。
内容の編集を細かく制限できる
内容の編集を細かく制限できるのもPDFの特徴だ。PDFにはパスワードを設定でき、PDFを開くためのパスワードはもちろん、編集や印刷、コピーを行うためのパスワードなど細かく権限を制限できる。 データの流出や改ざんなどを防止したい時に選択したいファイル形式だ。
PDFを利用するメリット
ここでは、PDFを利用するメリットを紹介する。PDFを利用すべきシーンを見極められるようにしよう。
セキュリティ面の安全性に優れる
PDFを利用するメリットとしてまず挙げられるのが、セキュリティ面で優れているという点だ。PDFでは権限を細かく設定できることに加え、電子署名を付与することもできる。これによりPDFファイルの制作者の証明、他者の編集が行われていないことの証明が可能だ。
他にもPDFの暗号化やセキュリティポリシーの作成、秘匿情報の削除など、セキュリティ対策機能が数多く用意されている。機密情報や契約書といった厳重な管理が求められる書類を扱う場合も、安心して利用できるファイル形式と言えるだろう。
環境を問わず閲覧可能
環境を問わず閲覧しやすい点も、PDFを利用するメリットの一つ。多くの電子ファイルに共通する懸念点として、デバイスの違いによって使用感に差が生じる点が挙げられる。
一方でPDFファイルは幅広い環境で問題なく閲覧可能であり、端末ごとの表示形式の差も小さい。PDFをクラウド環境に保存しておけばスマートフォンを含む複数端末から閲覧できる。
書類の管理がしやすくなる
紙と比較して書類の管理がしやすくなる点も、PDFを利用するメリットと言える。PDFは電子ファイルであるため、紙とは異なりファイルが増えても持ち運びに困ることがない。紙の書類の場合は保管場所を要するうえ、ファイルの探索にも時間がかかる。
上記のような悩みを抱いている際にはPDFで管理を行えば場所を圧迫することはなく、検索も容易になるはずだ。また、印刷を行う必要もなくなるため、印刷にかかるコスト削減ができる点も大きい。
※データは2023年9月上旬時点のもの。
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文/編集部