市場で販売されているムービーモンスターは、どうやって生み出されているのか?
松本 ソフビ人形ということで、特に元々尖っている部分の多い怪獣の立体化の際には大変な苦労があると思います。
また、昨今は情勢的にも塗装面での再現にも苦心の痕跡の見受けられる商品もありますが、反面、造形に関しては既にガレージキットレベルの高水準となっているものが多く、驚かされるばかりです。商品が完成するまでのお話を伺わせてください。
坂本さん 「ソフビ」というと子ども向けの柔らかい人形を想像して、ゆるめの造形をイメージされる方もいらっしゃるかと思います。実はその製法自体はかなり細かいディティールまで再現できるポテンシャルがある技術なんです。
ムービーモンスターシリーズは大人のファンの方も多いシリーズですのでパーツを細かく分けたり、部分的に「インジェクション」と呼ばれる射出成型のパーツを用いたりといった形で、1つ1つのキャラクターに最適な作り方を組み合わせながら再現性の向上に努めています。
花輪さん 造形レベルの向上については、やはりシリーズとして商品化を長く続けているがゆえに原型から量産に至るまで、様々なノウハウが蓄積されてきた部分も大きいですね。
それらの経験値を活かして、造形的により良いものが作れると判断したキャラクターについては、過去にソフビ化したことがあるモチーフであってもイチから新規造形でリニューアルしています。
商品担当者から、ムービーモンスターシリーズファンへのメッセージ!
松本 最後になりますが、ムービーモンスターシリーズのファンの方々に向けて、何かメッセージをいただけますか。
坂本さん 昨今の生産コスト上昇という難しい問題はありますが、品質は下げずこだわりを持って良いものをお届けしたいと思いで日々奮闘しております。
ソフビフィギュアは、キャラクターたちの大きなスケール感を手元におけるサイズに落とし込むことで、作品の世界観に没入することができる魅力的なアイテムだと思っています。お客様には、今後もムービーモンスターシリーズの展開を一緒に楽しんでいただけたら嬉しいです。
花輪さん 現在の特撮ファンの皆様に向けても、未来の特撮ファンに向けても大切にしていきたいシリーズだと考えています。
お子様も安心して遊べる仕様にするため制約もありますが、お子様にも大人のお客様にも喜んでいただける商品を展開して参ります。
映像作品からだけでなくムービーモンスターシリーズからも怪獣、キャラクターを盛り上げていきたいと考えておりますので、引き続きよろしくお願いします!
ソフビは“買うと増える”から警戒するあなたへ…そんなの気にせず好きなだけムービーモンスターシリーズを買って応援しよう!
ということで、今回は株式会社バンダイ ブランドトイ企画部の企画・開発担当、坂本さん、花輪さん両氏にムービーモンスターシリーズについてアレコレお聞きすることが叶った。
インタビューでも飛び出した言葉だが、“様々な作品のキャラクターを同規格で揃えられる唯一のソフビシリーズ”というのが、現状のムービーモンスターシリーズの特色を一番しっかり表現できるワードと、いち消費者としても強く感じる。
やっぱり、同一の手触りと、同一サイズで揃えるって、集め甲斐があるし商品展開も気になるのだ。
中でも最近発売された中で特にお気に入りなのがバラゴン。
「新作ではないですが、過去作品の中でも商品化希望のご意見を多数いただき商品化いたしました」とのことで、令和5年の今に発売されるのは相当な驚きをおぼえたが、特徴的などっしり体形が凄まじく良い塩梅。画像もカッコイイが実際に肉眼で見るともっと着ぐるみに似ているので、大変満足している。価格は税込3,300円。
それこそゴジラとガメラは未だに映像作品では共演していないけれど、ソフビとしては同じシリーズでかなり前から売り場を共にしている。
映像では観られない揃い踏みが簡単に実現できるのも、ムービーモンスターシリーズの大きな強みだ。
既に本シリーズからは、ありとあらゆる大怪獣がラインアップされている。
恐らく今後も新商品は発表され続けるはずなので、追いかけないのは勿体ない!
「でも、怪獣人形って買うとどんどん増えるんだよなぁ」と二の足を踏む人もいるかもしれないが、いくら怪獣が増えても餌を食うわけじゃないから家計を圧迫することもない。
なのでとにかくガンガン買って、ガシガシ遊ぼう! ソフビは丈夫だから破損の心配もほとんどない!
【取材協力】
株式会社バンダイ
株式会社バンダイ ブランドトイ企画部
ムービーモンスターシリーズ公式情報サイト
【監修】
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©2023 KADOKAWA/ GAMERA Rebirth製作委員会
文/松本ミゾレ