今、バンダイの怪獣ソフビの勢いが凄い!
突然だが筆者はかなりの怪獣マニア。特にフィギュアを買い集めるのにかなりの時間をかけてきた。いわゆるオタクである。
怪獣のフィギュアの中でも昔から親しまれているのがソフトビニール人形。通称ソフビ。
インディーズ系のメーカーもかなりソフビに愛着を持って精力的に色んな商品を発売しているが、やっぱり圧倒的なのは大手玩具メーカーのバンダイだ。
子供の頃からバンダイのソフビは山のように集めてきたし。
84年生まれの筆者は、旧ウルトラ怪獣シリーズよりもサイズも価格も頭一つ分抜きん出た東宝怪獣シリーズを、それこそ誕生日のプレゼントとして、よく親に熱望したものである。この東宝怪獣については、2000年代初頭に新たにムービーモンスターシリーズと銘打つ形でさらにラインアップの拡充とサイズの縮小(ちょうど旧ウルトラ怪獣シリーズと一緒に並べても違和感がない大きさ)がなされるようになる。
ムービーモンスターシリーズは定期的に新商品を追加しつつ、しばしばリニューアルを果たすなどして現在も発売されているが、ここ数年、このシリーズの勢いがかなり凄いことになっている。
以前では考えられないようなペースで、続々新造形の商品が販売されるようになっているのだ。
今回はムービーモンスターシリーズ開発の経緯や、商品化の際の苦労を株式会社バンダイ ブランドトイ企画部 企画・開発担当の坂本さん、花輪さんにお伺いすることができた。
「子供の頃からバンダイのソフビで遊んできたけど、意外とムビモンのことはよく知らない…」というファンもいらっしゃるはず。ぜひ最後までご覧いただきたい。
ムービーモンスターシリーズの立ち上げ経緯
松本 ムービーモンスターシリーズはこれまで東宝の怪獣を主にラインナップしており、程良いサイズ感と造形の良さもあって、既に多くのフォロワーを有しているシリーズですが、そもそもこのシリーズが立ち上がった経緯について教えてください。
坂本さん・花輪さん ムービーモンスターシリーズはゴジラ作品を手に取りやすい価格帯でフィギュア化したいというところから始まったシリーズとなります。
ボリューム感・造形・彩色に重きを置いたソフビシリーズとして展開を続け、ラインナップを入れ替えながら現在に至ります。
(23年11月3日放映予定の新作映画『ゴジラ -1.0』に登場するゴジラも、もちろん発売。11月3日の公開初日にあわせてリリースされる。価格は税込3,520円)
お子様はもちろんのこと、ムービーモンスターシリーズには大人のお客様も多く、商品アンケートやSNSなどで反響を多く頂いております。
商品化キャラクターの選定基準について
松本 このところ、ムービーモンスターシリーズではヘドラ、バトラなど、過去にラインナップされていたものの長らく売り場に並ぶことのなかった人気怪獣が新規造形で復活するという流れが続いています。
加えてエビラ、マンダなどこれまでバンダイさまがスタンダードソフビとしてはリリースしていなかった怪獣まで立体化されるということも増えてきました。
私もNetflixで9月7日より世界配信がスタートした『GAMERA -Rebirth-』版ギャオスを購入しました。
他にも大魔神の発売も驚きましたし、昨年の『シン・ウルトラマン』と今年公開されました『シン・仮面ライダー』も含め、さまざまな作品のキャラクターがムービーモンスターシリーズで登場することは、とても賑やかに感じられます。
この展開にはいち怪獣ソフビファンとしては大変嬉しいのですが、商品立体化に関してはどのような基準で選定しているでしょうか?
花輪さん 商品化に際しては、当然ながらお客様のニーズという点は最重視しつつ、その上で「商品化済みのキャラクターと一緒に並べて楽しいか?」「これまでにソフビで立体化されたことがあるか?」など、いわゆるコレクション性やラインナップとしての意外性も意識するポイントです。
ムービーモンスターシリーズは単発の商品ではなくシリーズ商品になりますので、長く集めてくださっているファンの方々にとって、集めていて楽しいと感じていただけるようなシリーズ展開を目指したいと思っています。
(23年9月7日よりNetflixで配信されている『GAMERA -Rebirth-』に登場するガメラも、相対する敵怪獣たちとあわせて絶賛発売中。価格は税込3,300円)
坂本さん 最近『ゴジラ』以外の作品からの商品化が増えているのも、話題の新作や意外性のあるラインナップに挑戦し、シリーズ商品としての幅を広げていきたいという思いからです。今後もチャンスがあれば様々な作品からの立体化も行っていきたいです。
お蔭様でシリーズも長く続けることができ、幅広い年齢のお客様にご好評いただいておりますので、“様々な作品のキャラクターを同規格で揃えられる唯一のソフビシリーズ”というような立ち位置を目指せればと思っています。
花輪さん …なので、もしこのアグレッシブな姿勢に共感いただけるようでしたら、ぜひ商品をお手に取っていただけると幸いです!(笑)