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藤井聡太七冠の得意戦型「角換わり」とは?前人未到の八冠達成を楽しむ将棋の豆知識

2023.09.08

前人未到の偉業達成となるだろうか。現在(2023年9月)、藤井聡太竜王・名人は将棋の8大タイトルのうち竜王、名人、王位、叡王、棋王、王将、棋聖の7タイトルを保持している。そして最後のタイトルとなる王座の獲得に向け、第71期王座戦五番勝負への挑戦が始まった。史上初の8タイトルすべてを独占する「八冠独占」がかかっているということもあり、藤井竜王・名人の対局にはいつも以上に注目が集まっている。

8月31日、その注目の第一局が行なわれた。残念ながら永瀬王座に力及ばず藤井竜王・名人の黒星発進となってしまったが、王座戦は先に3勝した方がタイトル獲得となる五番勝負である。これから行なわれる第2局目以降の勝利に期待したいところである。

ますます注目度が高まるこれからの対局をもっと楽しみたいという読者も多いだろう。そこで次の対局の前に藤井竜王・名人が得意とする将棋の「戦型」について勉強しておこうではないか。戦型には棋士の性格が表れる。戦型を知れば、藤井竜王・名人の将棋がもっと面白くなることだろう。

王座戦第1局でも採用された「角換わり」

藤井竜王・名人は「角換わり」と呼ばれる戦型を得意としている。実際に先日行われた第71期王座戦五番勝負第1局でも、振り駒の結果、先手番となった藤井竜王・名人は角換わりの戦型を指している。まずは実際の盤面で角換わりがどのような状態なのかを説明しよう。

上図は角換わりの盤面の一例。お互いに角道を開けて角を交換し、お互いに持ち駒に角がある

「角換わり」とはその名の通り、お互いの「角」の駒を序盤の早い段階で交換することを目的とした戦法である。お互いに角道を開けて(斜めにしか動けない角にとって、邪魔になる斜め前にある歩を一つ前に進めること)、角を交換した上で、陣形を整えていく駒組みである。角という大駒を持ち駒にし、飛車や銀、桂馬といった駒を積極的に展開できることから非常に攻撃的な側面がある。

また、角換わりは、その後の銀の使い方によって、角換わり早繰り銀、角換わり腰掛け銀といった戦法へと派生する。中でも角換わり腰掛け銀は、藤井竜王・名人をはじめ、多くのトップ棋士が採用、研究を進めている戦型の一つでもある。これは同時にトップ棋士たちを持ってしても角換わりは非常に難しい戦法であるということを意味している。何百、何千もの時間をかけて数多の盤面を事前研究していても、まだ“わからない”のである。

だからこそ、藤井竜王・名人がどのような事前研究をして、どのような展開に進めていくのかに他の棋士たちや指す将と呼ばれるファンたち(実際に自分でも将棋を指す将棋ファンの呼称)は注目しているのである。同時に対局相手も角換わりを受けて立つのか、あるいは角道を閉じて角換わりを拒否し、別の戦型へと誘導するのかといったポイントも見どころとなっている。

序盤の数手には、こうしたお互いの読み合いが凝縮された時間であるということを知っていれば、観戦もより熱が入るに違いない。

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