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「シャドーバンキング」とは?アメリカや中国での実情や問題点

2023.10.13

経済や金融に関するニュースで、『シャドーバンキング』という言葉を耳にする機会もあるでしょう。リーマンショックの引き金になったともいわれ、経済に深刻な影響を及ぼす可能性もあるとされます。シャドーバンキングとは何を指すのか、実情や世界経済への影響について把握しましょう。

シャドーバンキングとは

世界経済に関連するニュースで話題に上る機会も多いシャドーバンキングとは、どのような存在なのでしょうか?言葉の意味やシャドーバンキングによって得られるメリットを見てみましょう。

銀行以外によって行われる金融業務のこと

シャドーバンキングは英語で『Shadow Banking』と表記され、日本語に直訳すると『影の銀行』という意味です。『影の』とついている通り、銀行免許を持たない証券会社やヘッジファンドなどの金融会社が担う金融仲介業務を指します。

銀行以外のこのような金融会社は、預金の保護や自己資本比率などに関する関連規制が、銀行に比べて緩やかなため、銀行よりも高利で資金の預入や貸付ができる点が特徴です。

しかし一方で、資金の流れが不透明になりやすいという弊害もあり、シャドーバンキングは、2008年リーマンショックなどの世界的な金融危機の一因になったともされています。中国では近年シャドーバンキングが拡大していることから、世界経済や金融システムへの影響が懸念されているのです。

シャドーバンキングのメリット

世界経済や金融システムへの負の影響や懸念が話題になるケースも多いシャドーバンキングですが、そこにはメリットも存在します。

メリットの一つが、銀行の与信管理を補完する役割です。事業に必要な資金を、規制が厳しい銀行からは借りられない企業にとっては、シャドーバンキングによって資金調達の選択肢を増やせます。また、投資家のリスクテイクの姿勢に応じて、金融取引の促進を期待できるといったメリットも併せ持っているのです。

シャドーバンキングの実情

USドル

(出典) pixta.jp

シャドーバンキングは実際のところ、金融市場でどのように受け止められているのでしょうか?海外での実情について解説します。

市場の大きな割合を占めるアメリカ

アメリカでは1970年代以降、規制緩和を受けてシャドーバンキングが拡大しました。アメリカの金融仲介部門全体における銀行の金融資産残高のシェアは、20%程度で推移しています。それに対し、シャドーバンキングの残高シェアは、2007年末時点で35%超と大きく上回っており、その割合は投資ファンドが最大です。

その後、2008年に起きた世界的な金融・経済危機であるリーマンショックを経て、シャドーバンキングの残高シェアは30%程度まで低下します。しかし依然として銀行のシェアを上回っており、2013 年の段階でもシャドーバンキング全体の国別シェアは30%程度を占めていました。

日本では、金融仲介部門全体における銀行の金融資産残高のシェアが50%以上であるのに対し、シャドーバンキングのシェアは10%程度にとどまっていることと比較しても、アメリカではシャドーバンキングのシェアが非常に高いことが分かります。

参考:シャドーバンキングの現状:金融危機後の国際的な動向と監視・規制に関する取組みを中心に|日本銀行

中国で活性化するシャドーバンキング

アメリカではシャドーバンキングのシェアが低下傾向にあるのに対し、近年急速に拡大しつつあるのが中国です。

中国における金融仲介部門全体における銀行の金融資産残高のシェアが70%程度、シャドーバンキングのシェアは10%程度とその比率はまだ小さいものの、その伸び率は顕著であり、国別シェアを比較してもシャドーバンキングが拡大傾向にあることが分かります。

中国でシャドーバンキングが急拡大した背景として、当局による金融引き締め政策の結果として、民間の中小企業などが深刻な資金不足に陥った点が挙げられます。また、銀行がその事業を巡る厳しい規制を回避するために、従来の融資に代わる新たな手段として、シャドーバンキングを開始したのも背景の一つです。

さらに、中国におけるシャドーバンキングで特徴的なのが、質屋の存在といえます。銀行免許を持たない会社が行う金融仲介業務をシャドーバンキングと定義すると、質屋もその一つです。中国では事業資金の調達に質屋を利用するケースが多く、シャドーバンキング拡大の一因になっています。

参考:シャドーバンキングの現状:金融危機後の国際的な動向と監視・規制に関する取組みを中心に|日本銀行

シャドーバンキングの問題点や今後の課題

様々な紙幣

(出典) pixta.jp

シャドーバンキングが与える影響のうち、問題視されているポイントや日本への影響、今後の課題には、どのようなものがあるのでしょうか?

金融危機の原因になる可能性

シャドーバンキング拡大の影響に関して最も懸念されているのが、経済の混乱を招き金融危機を引き起こす可能性です。2008年のリーマンショックの一因として、シャドーバンキングが挙げられます。

リーマンショック以前にもシャドーバンキングによる資金調達が活発化していたことで、過度の資金供給により市場のコントロールが効かなくなってしまったのです。

また、規制の緩いシャドーバンキングでは、ハイリスク・ハイリターンの商品で資金が運用されているケースも多く、価値下落によりそういった資産が損失をもたらすことで、金融市場全体が悪循環に陥ってしまう点も懸念として挙げられます。

日本への影響は?

日本では金融資産残高における銀行のシェアが50%以上であるのに対し、シャドーバンキングのシェアは10%程度とほかの先進国と比べて低く、その影響力は小さいでしょう。

しかし、日本で運用されている投資信託などの金融商品は、アメリカのシャドーバンキングが運用する資産に投資しているケースも多く、その運用成績が悪化した場合には、日本の金融システムや投資家などにも影響が出る可能性はあるでしょう。

シャドーバンキングの監視・規制が必要

シャドーバンキングは銀行に対する規制の対象外であるため、その実態や影響を特定しづらいという特徴があります。

シャドーバンキングにまつわる問題点を解決するには、その実態を把握するためのデータを整備して監視・規制を実施する必要があるでしょう。現状ではそのリスクを低減するようなルールは定まっておらず、日本銀行によってリスクの特定や議論が行われています。

構成/編集部

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