総合人材情報サービスのアイデムは、総合求人サイト『イーアイデム』を通じて求人に応募した会員を対象に仕事探しに関する調査を実施。回答結果をグラフや図表にまとめて発表した。本稿では、その一部を抜粋してお伝えする。
回答者プロフィールは以下のとおり。
正社員を希望する理由〜「将来にわたって安定して働きたいから」51.3%
正社員雇用を希望する人に、なぜ正社員を希望するのかを聞いた(複数回答)。最も多かったのは「将来にわたって安定して働きたいから」で51.3%、次いで「社会保険に加入できるから」が46.3%、「自身のキャリア(仕事経験や意識・技術等)を維持・向上したいから」が31.3%となっている。
性別との関係をみると、「男性」のほうが「女性」よりも「興味のある仕事が正社員での募集だったから」が19.0pt、「自身のキャリアを維持・向上したいから」が13.6pt、「他の雇用形態より社会的な信用度が高いと思うから」が9.7pt高くなった。仕事内容に関心のある人が多いようだ。
一方、「女性」のほうが「男性」よりも「将来にわたって安定して働きたいから」が23.3pt、「他の雇用形態より教育制度が充実していると思うから」が7.2pt高くなった。特に安定して働きたいという傾向が強く、7割弱が正社員を希望する理由として選んでいる。
パート・アルバイトを希望する理由〜「自分の都合のよい時間や曜日に働きたいから」60.6%
パートまたはアルバイトを希望する人に、なぜその雇用形態を希望するのかを聞いた(複数回答)。最も多かったのは「自分の都合のよい時間や曜日に働きたいから」で60.6%、次いで「生活との両立を図りたいから」が36.3%、「気楽に働きたいから」が25.6%となった。
性別との関係をみると、「男性」のほうが「女性」よりも「気楽に働きたいから」が6.0pt、「正社員より採用されやすいと思うから」が5.9pt高くなった。採用のされやすさや、気兼ねなく働ける環境を希望する人が、パート・アルバイトという雇用形態を選んでいるようだ。
一方、「女性」のほうが「男性」よりも「扶養の範囲内で働きたいから」が20.7pt、「生活との両立を図りたいから」が17.0pt、「すぐに働き始めたかったから」が6.7pt高くなった。扶養の範囲内での仕事を望む声は毎月多く、パート・アルバイトなら労働時間を調整しやすいと考えて選んでいることがわかる。
選考過程での質問について
採用選考の過程で企業側に何らかの質問をしたことがあるか、あるいはこれから質問する予定はあるかを聞いた(複数回答)。質問の内容として多かったのは「勤務時間・シフトについて」で44.1%、次いで「業務内容について」が38.8%、「休日・休暇、有給休暇等について」が24.5%となった。
質問をしたことが無い人・する予定はない人は23.3%となり、8割弱の人は何らかの質問をしたことがある、あるいはする予定のようだ。
希望の雇用形態別にみると、「正社員」を希望する人では「職場の雰囲気、働いている人の特徴や傾向等」「賃金や昇給等に関して」「福利厚生等待遇について」に関する質問が、非正規を希望する人たちよりも多い。
一方で、非正規雇用を希望する人では「勤務時間、シフトについて」の質問が多く、働く時間に関する懸念を解消したいことが推察できる。
性別でみてみると、男性は「業務内容について」、女性は「勤務時間・シフトについて」の質問がそれぞれ最多となっている。
新型コロナウイルス感染症の影響で仕事を探している人は21.4%
今回仕事探しをしている理由に「新型コロナウイルス感染症の影響」は関連しているかをきいた。
全体で21.4%が「はい」と回答し、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて仕事探しをしていた割合は五分の一程度となった。前回調査時(6月結果)は21.7%で、下げ止まっているようだ。
希望雇用形態別に影響の有無をみると、「パート・アルバイト」では18.8%で2割を切った。感染症が大流行していたころと比べると、その影響はもうあまりみられない。
調査概要
調査対象/総合求人サイト『イーアイデム』の会員で、2023年7月1日~7月31日の期間に『イーアイデム』から求人に応募した人
調査方法/インターネット調査
調査主体/株式会社アイデム
調査期間/2023年7月2日~8月5日
有効回答/322名
構成/清水眞希